262話 ページ28
ドフィ…
なぜ、Aの隣にいる。
なぜ…Aにキスをした
なぜ…
Aは頬を赤くしている？
目の前にある想像もしていなかった光景に、頭が真っ白になった。
いつの間にか兄が去っていたのに気づくと、我慢できず、Aの元へ走り出した。
ーーーーーーーーーーーー
Aside
｢…ロシー…？｣
私を、強く、強く抱き締めてきた人物は、今度こそ間違いなく私のロシーだった。
…なぜあなたは、そんなに震えているの？
｢…、…なんで、ドフィと…｣
｢！！！｣
見られてた？
……私が、キスされて頬を赤らめたところも…
｢ロシー…ドフィは！偶然この島に来てたみたいで…っ
私を見つけて…それで…昔のことで…｣
罪悪感から焦って言葉を紡ぐけれど、そうするほどに私は私に対する嫌悪感が積もっていく。
…彼は、見てたんだ…
それはなんの勘違いもない、見たままの事実
彼はわかってる、あのキスはドフィからの不意打ちのものだと。
…そして事実とは、私がその行為に頬を染めたことなのだ。
｢…(ふだん、壊れやすい私が頼れるように明るく居てくれるロシーが、こんな風に乱れるなんて)｣
喜怒哀楽がはっきりしている彼が、こんな風に言葉も紡げず震えることは珍しいなんてものじゃない
…そうしたのは、私だわ。
……。
｢…軽薄な女だって、いっそ蔑んでちょうだい。
でも聞いてね
ドフィの目が、あなたと一瞬重なったの…
…なんでかな、思い返すと全然違うのに…あの時は…｣
｢惚れてるからだ。｣
｢…！｣
私の肩に埋めていた顔を持ち上げ、ロシーは私の視線を捕まえた。
…その目は、またなぜか、つい先ほど唇を奪われた彼を彷彿させた。
｢…Aに、俺と同じく、たまらないほど惚れてるから
お前に向ける目も、同じく見えるんだ。｣
寂しげにそう言った彼を、何がそこまで追い詰めているのか、バカな私は全くわからなかった。
ーーーーーーーー
｢…｣
記憶に残る最後の兄の姿は、父を永久に奪う姿だった。
今、あの時と同じにこうして大切な人に抱きついている
だが、
…Aはここにいる。
……俺ももう、逃げ出したりなんかしねえ。
だから
｢…俺の元から、いなくならないでくれ。｣
｢！！！！｣
…力強く、抱き返された。
……ああ、違う。
だんだんと冷たく、脱力していった父の腕とは、違う。
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ひはる(プロフ) - みかんちゃんさん» 感想ありがとうございます！！ワクワクしてくださってありがとうございます嬉しいです！今後もなるだけ早くそして楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2019年8月26日 11時) (
レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - guririさん» レス遅くなってすみません！感想すごくすごく嬉しいです！！気まぐれやで掛け持ちも多い亀ですけど、そんな風に言っていただけて嬉しいですし凄いやる気出ました笑ありがとうございます！ (2019年8月26日 11時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
みかんちゃん(プロフ) - 最初から一気読みしちゃいました！凄く面白くて、読んでいてワクワクしました！続編、お待ちしてます！ (2019年8月19日 10時) (レス) id: 5684880501 (このIDを非表示/違反報告)
guriri - 面白いです！続編が待ち遠しいです。 (2019年7月31日 17時) (レス) id: 5d86136675 (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - ユッケさん» ありがとうございます！この作品あまりコメント来ないので結構みなさんどう思ってるか不安だったんです。わたしの理想を夢主にになってもらってまして、それを褒めていただけると本当に励みになりますありがとうございます！続編前回よりは早く出せるよう頑張りますね！ (2019年7月15日 0時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひはる x他1人 | 作成日時：2019年6月24日 23時
