252話 ページ18
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｢ただいま…｣
ロシーが私のために開けてくれていたであろう窓からこっそり部屋に入る
小さな灯がぽつんとあるだけの部屋と
自分の机にうつ伏せになり寝息を立てる愛しい人を目に
ふっと力を抜いた。
山積みになった手配書や次の任務の資料に影を投げられているその顔を、呆れたように笑って撫でる
｢…こんな遅くまで頑張ったんだ｣
音を立てないよう用心して窓を閉め、ブランケットをロシーにかけようとする
｢……っ…｣
｢？｣
…寝言？
｢！｣
一筋、形の良い頬を涙がなぞった。
｢…ぁ…に…ぅぇ…ｯ
……ぁ゛ぁ…ｯ!!!｣
……むかしの夢だ。
彼を蝕む、今や遠い昔の酷い 酷い記憶。
｢…ロシー、ロシー！｣
いつも、あなたは強く優しく私を支えてくれた
私を不安がらせないように…いつの間にか泣き虫も卒業して。
私が悪夢にうなされる夜、あなたはこうして私を揺すぶり、名前を何度も呼んでくれた。
……
…ロシーがこうして過去にうなされることは何度かあった
私だって…
ーーまだ完全に救われたわけじゃないあなたを支えたい。
｢ロシー、起きて、大丈夫よ…
あなたのそばに居るのは、私だわ！｣
｢…っ……｣
｢…ロシー…！｣
ぼんやり薄く彼の目が開く
｢…っ……ぁ……A……？｣
勢いよく頷いて彼の頭を優しく抱きしめる。
｢…っ…A…っ！｣
いつもよりずっと力強く、すがりつくように私を彼は引き寄せた。
夢と現実がまだ曖昧であろう彼を私も強く抱き締め、柔らかい金髪に唇を寄せる
｢…大丈夫…大丈夫…
…大丈夫。｣
…私もあなたも17歳。
こんなに身が震え止まらなくなるほどの過去や、血濡れた手、
身近な死を毎日そばに持っていることは…きっと、普通じゃない。
普通の子はきっと…楽しい学問や、遊びや、友情
…そしてたくさんの愛に、身を浸しているはず。
｢…、私達は、二人で完全なのよ｣
私たちの愛なら、数には劣れど
美しさは…どこの誰だろうと越すことは出来ないと自信をもっている。
完璧に近いようで遠い不完全な私たち
人の瞳の奥に怯えた私たち
…だからこそ、掴んだ手を決して離さないことの重要さを分かっている。
だから支え合う。
｢…、あいしてる……｣
せめて大人になるまでは…
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ひはる(プロフ) - みかんちゃんさん» 感想ありがとうございます！！ワクワクしてくださってありがとうございます嬉しいです！今後もなるだけ早くそして楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2019年8月26日 11時) (
レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - guririさん» レス遅くなってすみません！感想すごくすごく嬉しいです！！気まぐれやで掛け持ちも多い亀ですけど、そんな風に言っていただけて嬉しいですし凄いやる気出ました笑ありがとうございます！ (2019年8月26日 11時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
みかんちゃん(プロフ) - 最初から一気読みしちゃいました！凄く面白くて、読んでいてワクワクしました！続編、お待ちしてます！ (2019年8月19日 10時) (レス) id: 5684880501 (このIDを非表示/違反報告)
guriri - 面白いです！続編が待ち遠しいです。 (2019年7月31日 17時) (レス) id: 5d86136675 (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - ユッケさん» ありがとうございます！この作品あまりコメント来ないので結構みなさんどう思ってるか不安だったんです。わたしの理想を夢主にになってもらってまして、それを褒めていただけると本当に励みになりますありがとうございます！続編前回よりは早く出せるよう頑張りますね！ (2019年7月15日 0時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひはる x他1人 | 作成日時：2019年6月24日 23時
