第267話 ページ39
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「‥‥で、その死者蘇生云々が、どうおまえの実験と関わってくんの」
「‥‥死んだ人間を生き返らせた時に、“神の罰”が下るって言いましたよね。中将は、それをコントロールした上で兵器化しようとしています」
「‥‥それで？」
「‥‥まあ、あれです。私をその兵器にしようとしてるわけですよ、つまりは」
「は？」と、自分でも驚くほど低くて怒りの籠った声が出た。何だそれは。百夜を、一人の人間を、あの男は殺戮兵器にしようとしているのか。そんなの、‥‥そんなの。
「‥‥許されるわけ、ねぇだろ‥‥」
ぎり、と奥歯を噛み締めた。しかし彼女は「でもこれがもし、私じゃなくて全く知らない人間だったらどう思いますか」と言った。
それにぶん殴られたような衝撃を覚えたが、「そんなこと知ったこっちゃない」と返す。
「俺は、おまえが‥‥大事な部下が、勝手にわけのわからん道具にされてるのがムカついてんだ」
「‥‥あは、ここにも自己中の人、いた」
それには軽蔑も侮辱も含まれていなかった。少しだけ泣きそうな顔で、無理やり笑ったような、下手くそな笑顔。
ここにもって何だよ、と聞けば「公平は、私が死んだら世界が救われるとしても、世界を捨てるか私と一緒に心中してくれるらしいです」と言った。
「なんだそれ。おまえらだけで勝手に死ぬなよ」
「じゃあ太刀川さんも一緒に死にます？」
「馬鹿か。おまえも世界も救える方法を探す」
「‥‥それ、すごい傲慢」
へら、と笑った百夜は刀の鞘をそっと撫でた。
虚勢でも出まかせでもない。世界も彼女も丸ごと助けてみせる。必要ならばこの世界から彼女を攫って三門市に戻り「門発生装置」とやらをぶっ壊してもいい。たとえそれで彼女が俺を恨んだとしても、だ。
「おまえが俺達を守ってくれるんなら、俺達はおまえを救う。そういう覚悟はもうとっくにできてんだ、全員」
「‥‥太刀川さん達に、私は救えないかもしれませんよ」
「5人分の命懸けてたった1人も助けられないわけねぇだろ」
「‥‥は、はぁ？ 命？」
「あー、でも菊地原はなぁ、どうだろうなぁ。まぁあいつもなんだかんだおまえのこと好きだし」
「ま、待ってください」
「あ？ 好きとまではいかなくてもそれなりに懐いてるだろ、あいつ」
「そこじゃなくて！」
なんで命を懸けるとかそんな話になってるんですか、と百夜は心底意味がわからない、おかしい、という顔で言った。俺に言わせればそんなの今更な話だ、と思った。
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じゆんきむ(プロフ) - 返信ありがとうございます。楽しみに待ってます！ (1月11日 21時) (
レス) id: 3005c0f58d (このIDを非表示/違反報告)
夏向(プロフ) - じゆんきむさん» 返信遅くなりすみません。現在修正中なんですがリアルが忙しくて…。年度内には再公開できればと思っております (1月11日 2時) (レス) id: b371f4960f (このIDを非表示/違反報告)
じゆんきむ(プロフ) - 7個目の話はいつ公開されますか？？ (12月27日 1時) (レス) id: 3005c0f58d (このIDを非表示/違反報告)
雫鶴鳩 - ありがとうございます！！見捨てなんてしませんよ(笑)これからも更新頑張ってください！！ (2017年10月21日 17時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
夏向@テスト期間は低浮上(プロフ) - 雫鶴鳩さん» (続き)読みにくいかと思われますが、今後はそのように解釈していただけると嬉しいです。これからもこの小説を見捨てないでいただけると大変ありがたいです！ (2017年10月21日 10時) (レス) id: 2e5a8262c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2017年10月10日 16時
