第231話 ページ3
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〈歪んでる〉
嵐の言葉に、そうだね、と心中で呟く。私が歪んでいるなんて、自分で一番わかっているつもりだ。
〈おまえは、家族のためなら平気で禁忌に触れ、世界を壊す〉
その言葉も否定しない。私は家族や仲間が一番大切だ。生きる意味だ。それを守るためなら、世界なんてどうでもいい。
「その時」が来たら自ら望んで引き金を引くだろうということは、ずっと前から知っている。
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公平はどんな意図を持って聞いてきたのかはわからない。できるならば触れてほしくない話題だった。これを話してしまえば、私は拒絶されるかもしれないという意識があって、わざと自分の醜い部分を示した。絶対後悔するから、頼むから聞かないでくれ、という言外の主張。
それなのに彼の決心は少したりとも揺らがなかった。
「こっち」に戻ってくる前、公平にぶつけられた言葉を鮮明に思い出させる。そんな人たちに拒絶されたくないという思いを、強く認識した。
私はどうやら───取り返しがつかないくらい、「向こう」の人たちが好きみたいだ。こんなに手放し難く思うものを作ってしまった。
「‥‥私にも少しは人間味が残ってたってことかな」
〈は、元々お前は人間臭いやつだったよ〉
「へぇ。知らなかった。例えば？」
〈恋をするところは、誰よりも人間臭い〉
「‥‥あ〜、なるほど」
〈あと、一丁前に一人で何でもできると思ってるところだな。調子乗んな、お前はまだただのガキだ〉
「なんでいきなり当たり強いの」
〈ガキがイキるな〉
「なに、機嫌悪いの？」
たまにあるのだ、こういうことが。私の知らぬところで勝手に不機嫌になって、八つ当たり。もう慣れたから詮索もしない。
〈‥‥お前のことを詳しく知ってる奴なんて俺だけでいい〉
「‥‥っちょ、待っ‥‥ふふ、あっははは！」
───なんだ、単なるヤキモチか。公平への嫉妬か。かわいいやつめ。予想もしてなかった展開に笑いがこみ上げてきて、どうしようもない。鬼が嫉妬するなんて聞いたことないが、どういう風の吹き回しだろう。
「別に何もかも話すわけじゃないよ。ふ、ふふっ」
〈笑うなクソ女〉
「こ、れが、笑わずにいられるかっての」
鬼に感情はないと思っていたが、まだまだ私は嵐のことを知らなかったらしい。今までそんな素振りなかったのに。
あ〜おもしろ、と呟くと、もう一度悪態が返ってきた。
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じゆんきむ(プロフ) - 返信ありがとうございます。楽しみに待ってます！ (1月11日 21時) (
レス) id: 3005c0f58d (このIDを非表示/違反報告)
夏向(プロフ) - じゆんきむさん» 返信遅くなりすみません。現在修正中なんですがリアルが忙しくて…。年度内には再公開できればと思っております (1月11日 2時) (レス) id: b371f4960f (このIDを非表示/違反報告)
じゆんきむ(プロフ) - 7個目の話はいつ公開されますか？？ (12月27日 1時) (レス) id: 3005c0f58d (このIDを非表示/違反報告)
雫鶴鳩 - ありがとうございます！！見捨てなんてしませんよ(笑)これからも更新頑張ってください！！ (2017年10月21日 17時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
夏向@テスト期間は低浮上(プロフ) - 雫鶴鳩さん» (続き)読みにくいかと思われますが、今後はそのように解釈していただけると嬉しいです。これからもこの小説を見捨てないでいただけると大変ありがたいです！ (2017年10月21日 10時) (レス) id: 2e5a8262c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2017年10月10日 16時
