第191話 ページ2
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出発して3日、予定通り新宿につくことができた。
防御壁の前には、2人の兵が立っている。そこで、改めて自分の格好を見下した。血付きの学校指定制服に、腰の刀。帝鬼軍の人間にも見えないし、吸血鬼の作る集落から逃げ出してきた人間にも見えない。
(‥‥さて、どうするかな)
嵐の力さえあればこの程度の高さの壁は登れるだろう。だけど絶対登りきる前に見つかって狙撃されるのは間違いない。シャレにならない。ここまで苦労してきたのに全部水の泡だ。正面から堂々と行ったほうが手っ取り早いだろうか。
両手を上げて2人の前に出る。突然の不審者の登場にも、臨戦態勢にはいる兵。よく訓練されている。
「誰だ貴様は」
「あのー、見てわかる通り攻撃するつもりないのでその刀下ろしてもらえません？」
「名を名乗れ」
「その前に一個いいですか。あなたたちの所属年数が知りたいんですが」
「それを言ってなんになる」
「これから私がとる行動が変わります」
「こいつも俺も6年前だ」とずっと黙っていた方の兵が答える。6年前なら私のことは知っているはずだ。大佐という年齢に不釣り合いな肩書を持っていたせいで、当時から私は何かと目立っていたことは自覚している。おかげでこそこそしながら、かつできるだけ敵を作らないようにする術ばかりが上達した。
ここは軍隊で、その中には私よりも長く所属している者もいる。後から来た新参者が自分より何階級も上にいるとなればそりゃあ面白くないだろう。実力はあってもそれだけだ。
当時の私はグレン隊と《月鬼ノ組》にしかほぼ顔を出していなかったから、話や辞令だけで知っている隊員とはそもそも繋がりが無かった。人望や人脈が無いというのは結構大きな障害だったりする。
中将が私をそれなりに使ったことで軍内ではそこそこ顔も知られるようになった。あの人に私に対する気遣いや計らいなど無かっただろうが、私はこれ幸いと彼に従って、苦労しながら立場と信用を築き上げたのだ。
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夏向(プロフ) - るい酸性さん» 読み返していただきありがとうございます！6は現在改変中でして、土曜日中に全体公開する予定なのでもうしばらくお待ちください！ (2023年2月11日 0時) (
レス) id: b371f4960f (このIDを非表示/違反報告)
るい酸性(プロフ) - 久しぶりに読み返しました！6のパスワード教えて欲しいです！ (2023年2月10日 17時) (レス) @page49 id: 825df6404c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2017年9月7日 19時
