コンプレックス(日向翔陽) ページ37
「Aちゃん、背高いしスタイル良くていいな〜！」
「それな〜！めっちゃ羨ましい！」
体育の授業中、どこからかそんな話をしている声が聞こえてきた。
私は昔から背が高いことがコンプレックスだった。
高校1年女子の平均身長は157〜8程度。そして私の身長は167cm。もう少し伸びたら170に到達してしまう。
私は背が高いことを理由に、かっこいい女の子というキャラをここまで貫いてきた。
今日は男女混合で持久走をしていた。
私は男の子に混ざって先頭集団として走っていたが、中にはとんでもない体力バカもいる訳で……
『あれ、日向！？さっき先頭にいたよね！？』
「1周多く走ってきた！」
隣に並んだ日向からすれば、私は周回遅れだった。
『相変わらず体力凄いね…』
「新田こそ！結構前で走ってるじゃん！」
『まあ普通の女の子より体力あると思うから』
私たちは喋りながら走っていた。
すると突然日向が視界から消えた。
『えっ、日向…！？』
足元にあった小さな石に躓いたらしく、転んでいた。
慌てて駆け寄ると、膝を擦りむいており血が垂れていた。
「平気平気！まだ走れる！」
『ダメだよ、せめて傷口洗わなきゃ。保健室行こう』
立ち上がって走り出そうとする日向を、私は軽々と日向を抱きかかえた。
周囲のクラスメイトたちは足を止めてこちらを見ていた。
「お、俺歩けるから…」
『危ないから歩かないで』
私はそう言って先生に一言声をかけ、校舎へ戻って行った。
「先生居ないな…」
『だね。降ろすよ』
私は椅子に日向を降ろす。
消毒液と脱脂綿を拝借して、日向の前に膝をついた。
『消毒するから痛いかも』
「お、おう」
私は脱脂綿を当てつつ、傷口に消毒液をかけた。
『部活に影響はないと思うけど滑り込む時とかは気をつけてね。床にぶつけたら痛いと思うから』
消毒し、大きめの絆創膏を貼りながら私そう言った。
「新田って俺の部活知ってんの！？」
『そりゃ知ってるよ。小さな巨人になりたいんでしょ？』
私が立ち上がると、日向は私を見上げた。
「新田はバレーとかしないのか？」
『私、身長大きいのコンプレックスなんだ。日向みたいに小さい方が可愛いし』
「そんなことないぞ！」
日向は立ち上がって私を見上げた。
「大きくても新田は可愛いから！自分に自信持てよ！」
私はその言葉が嬉しかった。
初めて言われた「可愛い」という言葉。
『ありがと…』
恋に落ちるまであと少し。
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…！！むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…！続編をお気に入り登録しておきます…！！！！！！ (2月18日 15時) (
レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー！リクエストありがとうございます！久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます！！現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください！ (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…？(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね？(は？何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…！(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泡姫 | 作成日時：2021年9月1日 21時
