失敗(孤爪研磨) ページ33
『あれっ、研磨くんじゃん』
「えっ…」
今日は我が梟谷学園の文化祭。2日目の今日は一般公開日で、黒尾に連れてこられたであろう研磨くんと偶然会った。
『なに？迷子？黒尾は？一緒じゃないの？』
「え、え…」
『研磨くん？』
研磨くんは挙動不審だった。何故なのか全く分からなかったが、少ししてやっと理解した。
『あ、待って！私、梟谷バレー部マネージャーの新田！新田A！』
「……Aさん？」
『そう、A！』
私のクラスはコスプレ喫茶を出店しており、今まさにコスプレでメイド服に金髪のウィッグを被ったまま校内を歩いて宣伝していたのだ。
「……何、してるの？」
『クラスの宣伝。で、黒尾は一緒じゃないの？』
「あっ、迷子…」
『やっぱりそうなんだ…』
私はくすくすと笑いながらそう返した。
研磨くんは少し拗ねたように顔を逸らした。
『黒尾に3-1のコスプレ喫茶にいるって連絡しときな。うちのクラスだし多分迎えに来てくれるよ』
「わ、わかった…」
研磨くんは少し携帯を操作して、珍しくポケットにしまった。
『またゲームしてたらはぐれたの？』
「まぁ、そんな感じ…」
『人混みでやるんじゃないよ。気をつけなきゃ私ともはぐれちゃうよ』
悪戯に笑ってそう言うと、研磨くんは眉間に皺を寄せながら目を逸らした。
「はぐれないよ…」
研磨くんはそう小さく言った。私は『どうして？』とだけ軽く問いかけた。
「Aさん可愛いから、目離したくない…」
後ろから研磨くんがそう言うと、私はつい歩みを止めてしまった。ゆっくり振り向いて私は口を開いた。
『……冗談は、よしてよ…』
研磨くんは頬をほんのり赤く染めながら、
「冗談だと、思うの？」
と言った。
私がゆっくりと頷くと、研磨くんは私の手を取り手の甲に柔らかく口付けを落とした。
「……これでも、冗談だと思うの？」
そういう彼の目は真剣だった。
『私、研磨くんのこと……』
「お！A！当番交代だってよ！って孤爪じゃん！」
そう大声でやってきたのは同じクラスの木兎光太郎だった。
私たちは慌てて手を離し、木兎の方に向き直った。
『もう交代の時間か！よし、研磨くん行こっか！』
私は宣伝のボードを木兎に預け、研磨くんの手を引いて自分の出店先の教室へ向かった。
『今度改めて言うから、空いてる日教えて』
騒がしい廊下に紛れるようにそう言うと、研磨くんは小さく「わかった」と返した。
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…！！むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…！続編をお気に入り登録しておきます…！！！！！！ (2月18日 15時) (
レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー！リクエストありがとうございます！久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます！！現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください！ (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…？(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね？(は？何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…！(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泡姫 | 作成日時：2021年9月1日 21時
