甘い物(菅原孝支) ページ28
ほんの些細なきっかけだった。
『先帰ったなら洗濯回しておいてってお願いしなかったっけ』
「あっ……ごめん…」
『洗い物も昨日のうちにお願いしたよね?』
「ちょっと昨日疲れてて…」
そんな小さなことから過去のことまで掘り返して私は孝支のことを怒ってしまった。彼も徐々にヒートアップしていき、お互いに言い合う形で喧嘩してしまった。
『もう孝支のことなんか知らない…!』
「そこまで言うんだったら俺も知らない!」
『1人になりたいから出てって!』
私がそう強く言い放つと、孝支は黙って家を出ていった。
もう長いこと孝支と付き合っているが、ここまで激しく言い合うような喧嘩をしたのは初めてだった。
自分で怒鳴ってしまった原因は何となく分かっている。今日は一日中イライラしてたし、イライラを持って帰ってしまったことで孝支にもうつってしまったのだろう。
本当は今すぐにでも謝るべきなのだろうけれど、今は彼も苛立っているだろうしと思ったら電話をかけることは出来ないし、彼を追いかけることも出来なかった。
あれからだいぶ時間が経った。
孝支からの連絡は無い。
まだ怒っているのだろうか。
けれどもう時間が時間だ。そろそろ帰ってこないと彼の明日に差し支えるだろう。
私は心配になり彼に電話した。
「もしもし…」
『あっ、あの……さっきは…』
「ねえ、シュークリームとエクレア、どっちの方が好き?」
『え……エクレア…』
「ん、了解」
彼はそう言って電話を切った。
私は訳が分からないまま孝支の帰りを待った。
「ただいま〜」
暫くして帰ってきた孝支は笑顔だった。
最初から怒ってなんていなかったかのように。
『お、おかえり…』
「おー、さっきはごめんな、強く言いすぎて」
『私こそごめんなさい…』
「気にすんな!それより…甘いの食べたい頃だべ?」
彼はニッと歯を出して笑いながら、エクレア2つをビニール袋から出してきた。私がイライラすると甘い物が食べたくなるタイプなのをよく知った上での行動だろう。。
『孝支は私のことよくわかってるね』
「そりゃあ、未来のお嫁さんのことはなんでも知ってますよ」
『流石未来の旦那さんだ』
私たちは2人、ソファに並んでエクレアを食べる。
「結婚、しよっか」
『そうだね、しよう』
ーー
ネタが切れたので数日更新しません!多分!
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…!!むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…!続編をお気に入り登録しておきます…!!!!!! (2月18日 15時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー!リクエストありがとうございます!久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます!!現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください! (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…?(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね?(は?何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…!(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泡姫 | 作成日時:2021年9月1日 21時