温かい(日向翔陽) ページ23
『お、おはよ〜。日向は今日も早いね〜』
「はざっす!いっぱいボール触ってたいんで!」
『日向見てると私も頑張ろって気になるよ』
朝早くから開いている体育館を覗くと、そこにはもうジャージに着替え、やる気満々の日向翔陽が居た。
『寒いしちゃんと柔軟とかしなよ〜。突き指しやすい時期だしね〜』
「ちゃんとやります!気をつけます!」
『よし偉い!』
朝練は着替えない派なので、制服を着たまま体育館に入り、シューズだけ履く。
『日向、トス上げてやろうか』
「新田さん出来るんすか!?」
『私中学まではしっかりバレーやってたんよ〜??』
ふふ、と笑って見せると日向は「おぉ〜!」と声を上げた。
私は軽く柔軟をして日向からボールを貰い少し手をボールに慣らす。
「すげぇかっけぇっす!」
『褒めてもなんも出ないよ〜』
「いやマジでかっけぇっす!!!」
私はいくよ〜と言いながら、日向にボールを山なりに上げ、日向がアンダーで返したボールを軽く上げる。
影山みたいなドンピシャトスは上げられないけれど、私にだってそれなりに上げられるはず。
「おおぉ!!」
『なんだなんだ〜!』
「なんか!なんつーか!スっとしてる感じ!」
『なになに〜?』
日向は足りない語彙力で一生懸命説明しようとしてくれていた。
「あ!無駄が無い!!」
『おっ、マジ〜?嬉しいな〜!』
ケラケラと笑っていると、日向は自分の手を見つめていた。
「影山のトスもすげぇけど、先輩のトスもめっちゃすげぇっす!」
『ありがとうね』
私はそう言って、再びボールを手にする。
「俺先輩のこと好きっす!!」
『おぉ!?!』
私は驚きのあまり、ついボールを落としてしまった。日向は思わず口が滑った、というような顔をしていた。
「せ、先輩のトスが好き!です!」
『あー!あーうん!分かってる!』
私がそう言うと、少し無言が続いてしまった。
「……すみません、嘘つきました…」
『えっ……?』
私は日向を見つめ、きょとんとしてしまった。
「俺、初めてここに来た日に新田さんに一目惚れして、それからずっと好きでした…!」
日向は顔を逸らしながら私にそう言った。
つい私も目を逸らしてしまった。
『あのね、日向…』
「は、はい!」
『私も、日向のこと好きだよ…』
冷たい空気が喉を刺す。
緊張で指先が冷える。
「Aさん、俺の彼女になってくれませんか!」
『……もちろん』
けれど心は温かい。
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…!!むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…!続編をお気に入り登録しておきます…!!!!!! (2月18日 15時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー!リクエストありがとうございます!久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます!!現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください! (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…?(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね?(は?何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…!(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泡姫 | 作成日時:2021年9月1日 21時