"俺を好きになって"なんて言わせない。 (ページ3)

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「…っ、あいつにはデリカシーってものがないわけ？！」

深「まあまあ、おちつけって」

「言えるわけないでしょ？！え、怖い怖い」

深「怖いのはお前のその復活の速さだよ」

グイッとビールを流し込むと、
隣にいるふっかは呆れたようにため息をついた。

深「…んまぁ、気になるのはみんな一緒だけどねぇ」

「ん？なにふっかも気になるの？ん？気になっちゃう感じ？」

深「…相変わらずだねぇ、その感じ」

ククッと笑って、ふにゃっと細くなった目が私を捉える。

「…予想ついてないの？」

深「ついてねーよ、」

「へえ、こんなに長い付き合いなのに」

深「こんなに長い付き合いしててわかったのは，Aが魔性の女ってことだけ」

「ぷっ、なにそれ」

ふっかの長い前髪が目にかかって、
その隙間から私を見る視線に思わず手を伸ばす。

ピコン

「…あ、ごめん」

机の上に置いてあったスマホに目線を移して
メッセージを確認して思わず口角が上がった。

「ごめん、もう帰らなきゃ」

深「は？まじ？」

「ふふっ、また明日ね」

鞄から財布を取り出して、数枚机の上に置いて席を立つ。

深「ちょっ、おい、まてって」

「ごめんっ、急いでるから」

カランと音を立てて少し古びたドアを開いた。