"俺を好きになって"なんて言わせない。 (ページ13)

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meguro side

「ちょっ、まじで誤解ある言い方やめれる？！」

目「寝てんじゃん，隣で」

「寝てはない，寛いでるだけだ」

あー，めんどくさい事になるじゃん！！って隣で怒るAさんは、そんな姿でも可愛らしい。

ベットの背もたれによりかかりながら見ていた映画を止めると、
立ち上がるAさんの手を引き後ろからぎゅっと抱きしめる。

Aさんは怒っていたはずなのに、
大人しく俺の腕に抱かれていて、髪から香るシャンプーの匂いがなんとも色っぽい。

目「あー…ほんと可愛い」

「…毎回毎回飽きない？それ言うの」

目「全然飽きない」

「ふーん、」

髪の毛の隙間から少し見える耳が真っ赤になってるとことか、
気にしないようにしてもドキドキしてる心臓とか、
なんでこの人は俺のツボをこんなにもついてくるんだろうって
もう何度も思った。

目「…ねぇ、チューしていい？」

「…だめ、」

だけど、Aさんが手に入らない。
俺の好意をスルリと抜けて、いつも前に進んでしまう。

目「…Aさん、あの熱愛って…本当なの？」

否定も肯定もしなかった。
ただ、"すいません"と頭を下げたのを俺らはテレビ越しに見ていた。
別に、おかしな事じゃない。
芸能界に居れば、それが普通なのかもしれない。

Aさんは、少し驚いたように目を見開いて俺の顔を見た。でもすぐにふわっと笑ったんだ。