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時は流れ、もう冬。
僕はクリスマスとか言ってる暇もなく受験勉強に追われていた。
それを決まって邪魔するやつはいるが。
『もしもーし！！クリスマスきてねー！！』
ﾌﾞﾁｯ
一方的に要件を伝えて通話は切れる。
僕に拒否権はないらしい。
仕方なく付き合ってやることにした。
ほんの気持ちだが小さなクリスマスケーキ。
やつはきっとこのクリスマスが最後だろう。
僕がこれから飽きるほどくる祝日をたった残り1回とは...
・
『よぉ！！』
「元気...そうではないね。」
やつは酸素マスクを付け点滴もしていた。
最近病状が良くないらしい。
『大丈夫！元気！これめっちゃ邪魔！！』
『お！ケーキ！？気が利くねー！』
元気そうだ。
『すまんがね、ケーキ食べられないのだよー。1人で食え！』
「え？なんで？」
嫌なことが頭をよぎった。
食事制限？いや、そんな優しいものでは無い。
やつが明らかに痩せていることくらい分かった。
「食欲ないの？」
『うーん、まぁまぁ』
なんとも曖昧な答えだったろう。
だけども明確な答えだった。
やつの死期がすぐそこまでやってきていることは察した。
「なら、看護師さん達にあげるよ。僕甘いもの得意じゃないから。」
『てめー！好感度アップしようとしてるな！ナースさんたちは渡さんぞ！！』
「そんなわけないよ。」
『自分は木乃香さん好みなんだよ。』
ニヤニヤと楽しそうに話す。
こういう面ではやつは男だ。
最近、性別なんてどうでも良くなってきた。
『あー、マスクしたくなーい。』
「外したらダメだからな。死ぬぞ。」
『酸素マスクってさー跡がつきそうだよねー。』
「話を聞け。」
『まぁあと少しの辛抱だよ。』
「え？」
『延命治療はもうすぐ打ち切るからさ。』
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作者名：ひかり | 作成日時：2020年12月6日 0時
