君の命の在処は。 (ページ2)

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Aside

組長「ふざけるな。…誰が今まで…守ってやったかと…」

ｸﾞｼｬｯ…

憎い顔が血で染る。

踏みつけるように歩く。

もう、何も要らない。何も守らなくてもいい。

無くしてしまった大切なものを取り戻したいから。

因縁の家を抜け、宛もなく夜道をさまよう。

靴に付く血が地面に私の歩いた跡を付ける。

悲劇のヒロインみたいになりたかった。

誰かに助けてもらいたかった。

私は可哀想な人だと認めてもらいたかった。

ヒロインにも慣れない私は

ただの悲劇の中をさまようだけの少女なのかな。

夜の空は

曇った私の瞳を見もせず

煌めくんだ。

『どこに行けばいいのかな…』

もう、私は普通の人として生きることが出来ない。

たくさんの人を殺したから。

命を空に送ってしまったから。

いっそ、ここで無様にのたれじんでやろうか。

私の生きる意味はお前らが潰したんだって証明してやろうか。

復讐のことしか頭にない自分すら恐ろしくて

立ち尽くすしか無かった。

ボサボサの頭の間から見える夜道には誰もいない。

こんな血だらけの人が歩いてたら怖いよね。

ごめんなさい、生きたいなんて考えて。

ごめんなさい、「私ばかり…」って考えて。

もう

何も

わかんない。