Merry Christmas.[ky] ページ2
「…ちょっと外の空気吸ってくる｣
頼まれて嫌々参加したクリスマスパーティーの途中、
馬鹿騒ぎする酔っ払いたちの輪から抜け出して、雪が降る外へと逃げ出した。
どうも人混みは苦手だ。
肌が痛くなる程に寒いが外の方がよっぽど楽だった。
マフラーを鼻まで巻いて店近くのベンチに座った。
「ふぅ…寒っ」
俺の前を頬を赤く染めた男女が幸せそうに笑いながら通っていく。
イルミネーションも綺麗で雪も降って、最高のクリスマスなのに一緒に過ごす友人も恋人もいない。
「はぁ…」
「ため息ばっかり、幸せ逃げちゃうよ？｣
目の前に突然現れる缶ココア。
後ろを振り向くと鼻先を赤くしたAちゃんが立っていた。
「Aちゃん！？｣
「久しぶりだねキヨくん」
「な、なんでここに？｣
「パーティー参加してたんだ。でも帰ろうかなーって思ってたら先に抜け出す人見つけてさ｣
ちょっと詰めて、と座る彼女は俺の初恋の人。
あまりにも可愛くて、目も合わせれないような俺には無理だって諦めたのを思い出した。
「相変わらず、人多いとこ苦手そうだね」
「はは…根暗なもんで…」
「でもわかるよ。ていうかクリスマスぐらい好きな人と過ごしたいよねー｣
好きな人、か。
そりゃそうだよな、Aちゃんにも好きな人はいるよなあ…
「キヨくん、この後予定ある？」
「えっ、いや、あ、今日は何も」
「そっか、ラッキー！じゃあちょっと待ってて！」
ガッツポーズをして、小走りで店の中に入っていくAちゃん。満面の笑みで帰ってきたと思えば俺の腕をグイグイと引っ張ってくる。
「ちょ、ちょっと！パーティーは！？」
「キヨくん体調悪いから送るって言ってきた！」
行こう行こうと連れてかれた先は大きなクリスマスツリーがある広場。
な、なんだ？なんで今俺はAちゃんと手繋いでるんだ？周りはカップルだらけでこれじゃまるで…
「キヨくん、平気？」
「あっ、うん…いや、心臓が…」
「心臓？」
「嬉しすぎてドキドキしてて……｣
「…うん、わかるよ。私も」
顔が熱くなってきて、マフラーをずらした。
Aちゃんの顔を見ると、鼻先どころか耳まで赤くして微笑んでいた。
神様、これって期待していいやつ？
Merry Christmas.[rtrt]→←Merry Christmas.[uszw]
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 317人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シノノメ。(プロフ) - るも姫さん» リクエストありがとうございました！2人はきっと上手くいくでしょう！！ (2023年4月14日 23時) (
レス) id: d09763f888 (このIDを非表示/違反報告)
るも姫(プロフ) - ありがとうございます最高です！！これからの2人のストーリーが気になるところですね…… (2023年4月14日 23時) (レス) id: d0570e1629 (このIDを非表示/違反報告)
シノノメ。(プロフ) - るも姫さん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません！承知致しました！書いてみます！！ (2023年3月12日 2時) (レス) id: d09763f888 (このIDを非表示/違反報告)
るも姫(プロフ) - いつも楽しみに待ってます！わがままだとは思うんですけどあのパフェの話のアナザーストーリーとかあったら見てみたいです← (2023年3月9日 15時) (レス) @page6 id: d0570e1629 (このIDを非表示/違反報告)
シノノメ。(プロフ) - あいりすさん» 喜んでいただけたなら何よりですぅぅぅぅᕦ( ᐙ )ᕤﾔｯﾀﾈ (2023年2月6日 18時) (レス) id: d09763f888 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シノノメ。 | 作成日時：2022年12月25日 2時
