9話 ページ9
銃声と狼煙作戦を実行して間もない頃だった。
「うおおおお！？｣
木に登り、ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞと空に銃弾を撃ち続けているキヨが突然声をあげた。遠くを見つめるような仕草をするので牛沢もレトルトもキヨの目線の先をじっと見つめた。
「なに？なんかあったの？」
「ガッチさん見つけた？」
「いや、あのねー…んー…」
キヨがさらに目を凝らして見ると何やら巨大な何かがこちらに向かってきているようだった。
牛沢もレトルトも地鳴りのような音が聞こえ、身構える。
「なんかさ…でかくない？音」
「ね…これ足音？」
「うわわわわわわ！！！さっきのクマのでっかい版がこっち来んぞー！！｣
向かってくるのはキヨと牛沢を襲ったものと同じ種類のモンスターだった。
だがその大きさは約5mを優に超えている。
銃声と狼煙作戦はこのモンスターのボスを引き寄せてしまっていた。
「に、逃げよう！」
「まて！クマは背を向けて走っちゃダメだ！｣
牛沢がレトルトの服を掴んで止めた。
目を背けないように、ゆっくりと後ろへ下がっていく。
そのモンスターは大きな前足で急ブレーキをかけて、3人の前で止まる。
大きな口から涎を垂らしながらこちらの様子を伺っていた。
「あのさ…うっしー」
「静かに…」
「これ…クマじゃないんだぞ…」
「あ？」
そう、キヨの言う通りだ。
ここは異世界。くまに見えるそれが現実世界のくまの生態と一致するわけではなかった。
まだこの世界に馴染めてない2人はキヨの言葉でハッとした。
「そう…だよな…」
「キヨくん…見つけたならもっと早めに言ってくんないかな…」
「わりぃ、俺目悪いんだわ」
「レトルトの魔法で焼けないの…？」
「やってみる…？」
レトルトが恐る恐る杖を取りだし、魔法をかけようとするとモンスターの鋭い爪がレトルトの足元目掛けて襲いかかった。
「ひああ！｣
「うおお！やるぞー！｣
「バカ！キヨも逃げんだよ！｣
レトルトの恐怖が牛沢に感染してしまい、一気にその場から逃げ出した。キヨは倒せるからと引き返そうとするが必死に牛沢とレトルトが引っ張って阻止している。
「あっはは！森のくまさん状態！」
「笑ってる場合じゃないだろうが！｣
「倒す力があっても立ち向かう勇気が足りません！」
もちろん後からモンスターも追いかけてくる。
どうにかして逃げきれないかと、牛沢とレトルトは必死に脳をフル回転させた。
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リヨ(プロフ) - はい！応援してます！ (2022年11月21日 15時) (
レス) id: 8ff8e8fe30 (このIDを非表示/違反報告)
シノノメ。(プロフ) - リヨさん» ありがとうございます！ほぼ全滅です……笑頑張ります！ (2022年11月21日 15時) (レス) id: 013d671d7d (このIDを非表示/違反報告)
リヨ(プロフ) - お大事になさってください！逆に小指が折れなくて良かったですね… (2022年11月21日 15時) (レス) @page16 id: 8ff8e8fe30 (このIDを非表示/違反報告)
シノノメ。(プロフ) - ういろさん» こちらの作品にまでコメントありがとうございます！頑張ります(๑˃̵ᴗ˂̵)و ﾖｼ! (2022年9月28日 0時) (レス) id: d09763f888 (このIDを非表示/違反報告)
ういろ(プロフ) - これからどうなるのか楽しみです！！ (2022年9月27日 21時) (レス) @page11 id: a8c88cc666 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シノノメ。 | 作成日時：2022年9月7日 19時
