37話 ページ37
起こす？とガッチさんが言う。
私がコクリと頷くと、いつかみた拳がレトさんの頭を直撃した。
「起きろ！Aちゃん起きてんぞ！｣
あ、さりげなくキヨさんたちもデコピンしたな今。
「いったあああああ！」
「あの！！病院ではお静かに！！｣
「あ！Aちゃん…Aちゃああん！起きたんだねええ！｣
看護師さんに注意されてもお構い無しにガバッと抱きつかれて、レトさんの香りいっぱいに包まれる。
正直めちゃくちゃ痛いけど、痛さより嬉しさの方が勝り、私も全力で抱きしめ返した。
涙は止まることを知らず、どんどんレトさんのパーカーに染みを作っていく。
「ごめ、ごめんなさ…皆、迷惑かけてっ…」
「ホントだよ、何1人で突っ走ってるの｣
「俺らなんもしてないけどね」
「心配はしてるけどな」
「ううう、おで、じぬほどじんばいじで…」
レトさんの大号泣に心がズキリと痛んだ。
私は今まで助けを求める事は相手に迷惑をかけてしまうから間違いだと思っていた。
だからああして1人で戦ったはずなのに。
「でも、無事でなにより」
「う゛ん…う゛ん…」
でも、そうじゃなかった。
私が何も言わないから、私が皆の優しさを無駄にしたからこうなったんだ。
助けてって言ってよかったんだ。
「ありがとう…ほんとに、ありがとう…｣
「頼っていいんだからね、いつでも｣
「やべぇ俺そろそろ限界かも｣
「うっしーが泣いたら俺も泣くわ」
「うええん！Aちゃああん！！｣
「レトさあああん！！」
多分、一生分の涙を流したような気がする。
その日は看護師さんだけじゃなく、ついには医院長まで注意しに来るぐらい外に丸聞こえだったらしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 215人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シノノメ。(プロフ) - 遊ちゃん_SKZさん» 返信遅くなりました申し訳ありません！！他の作品も呼んでくださったのですね！！ありがとうございますわああああああああ！！がんばりまああああす！！！ (2022年11月21日 15時) (
レス) id: 013d671d7d (このIDを非表示/違反報告)
遊ちゃん_SKZ(プロフ) - ぶっ通しで読んじゃいました、、他の作品もこの作品も本当最高だ.....これからも超応援してます！！！！！！好きだああああああああ！！！(煩) (2022年10月31日 6時) (レス) @page40 id: fe8355afed (このIDを非表示/違反報告)
シノノメ。(プロフ) - ういろさん» ハッピーエンドに出来て良かったです！こちらの作品も読んでくださったのですね！ありがとうございます( ´•̥ו̥` ) (2022年9月28日 3時) (レス) id: d09763f888 (このIDを非表示/違反報告)
ういろ(プロフ) - 主人公の女の子が幸せになれてよかった(´；ω；｀)泣いちゃいました！！ (2022年9月28日 2時) (レス) @page40 id: c9d9bd71e7 (このIDを非表示/違反報告)
シノノメ。(プロフ) - 澪さん» 最後まで！本当にありがとうございます( ;ᯅ; )他の作品も頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2022年9月26日 22時) (レス) id: d09763f888 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シノノメ。 | 作成日時：2022年7月6日 2時
