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北校舎を出れば、
糸が切れたように緊張が解れた。
最近は先生の事ばかり考えている。
『はぁ。』
一年も経った今では、次の行動も予測できてしまうほどに慣れたはずなのに。
目は、意識は、自然と先生を追うようになってしまった。
胸の内側にモヤモヤを感じながら、音楽室に目を向けた。
離れ小島のような場所に作られている音楽室は、北校舎からすぐの場所にある。
吹奏楽部員である私は、
朝の部活も早い為、音楽室前に用意された簡易的な下駄箱を利用している。
『ウォヌ！』
そこには、いつもの様に壁に寄りかかり私を待っているウォヌが居た。
視界に私の姿を捉えると、小さく手を振った。
嬉しさから思わずかけ出す。
『遅くなってごめんね、』
ウォヌ『大丈夫だよ。今日は、もう行き先決めてあるんだ、行こう。』
『うん。』
彼は唇を三日月形にして微笑みながら、手を差し出した。
迷いなくその手を掴むと、
ゆっくりと指を絡み取られた。
そういう不意打ちなとこ
良くないぞ、チョン・ウォヌ君。
春休み中は忙しくて、一度も会わなかったから、なんとなくソワソワする。
ウォヌ『今日は、パンケーキを食べに駅前の流行りのカフェに行こうと思ってるんだけどさ、』
『うん、』
ウォヌ『いやぁー、なんか、その、俺、そういうとこ行くの慣れてなくて、なんて言うかな、』
ガシガシ頭を掻き回し、
照れ臭そうに顔を紅くする。
『ふふっ、そこまでしてくれたんだ。ありがとう。』
いつもなら、図書館とか、書店とか、デートと呼ぶには少し地味なところばかりだったけど、
今日は珍しく頑張ってくれたんだ。
ウォヌ『う、嬉しい？』
『もちろん！』
紅く染まった顔はさらに紅くなり、沸騰寸前のようだ。
ウォヌ『...っ。と、にかく。今日はカフェ、な。』
繋いだ手をさらに強く握ると、
顔を隠すように早歩きに私の腕を引いた。
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ozu__(プロフ) - 素敵なコメントをありがとうございます。 (2022年3月2日 13時) (
レス) id: bfe25aa6c9 (このIDを非表示/違反報告)
びぃだま - 更新してくださって感動です！！！なんだか文学的と言うか、伏線が散りばめられていて面白いなと思ってたので…これからもお時間のあるときに是非更新してください！ (2022年3月2日 1時) (レス) id: 4179bc5d94 (このIDを非表示/違反報告)
理緒(プロフ) - 好きな作品です！更新楽しみにしていますね！ (2020年10月14日 0時) (レス) id: 6918a06ad7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ozu__ | 作成日時：2020年4月23日 13時
