0035 ページ35
.
「焦凍くん、凄いね。大きいね。」
「ああ、そんな騒ぐな」
俺の右手を握るのは紛れもなくAさんで、屋上で2人で泣いてから数ヶ月が経ち、晴れて恋人という立ち位置に昇格した。
相変わらず学校と本部の行き来で忙しそうだが、俺との時間も作ってくれて嬉しい限りではある。
Aさんが行きたいと騒いでいた水族館も、叶えてあげることができて満足だ。
自然と笑みが溢れてしまう。Aさんが喜んでいることにも、Aさんが隣にいることにも。
握られた俺の左手は、前にいるAさんが引っ張っていく。
巨大な水槽のイワシの大群を見つけてAさんは小さく、「わぁ」と声を上げていた。
初めて見た子供のように声を上げた。でも俺もこんなイワシの大群初めて見たなあ。
水槽を見つめるAさんは、水の反射でか好奇からかは分からないがキラキラと無邪気に笑っていた。
「私こんなたくさんのイワシ初めて見たかも」
「俺もだ」
「初めて同士だね」
そうやって歯を見せて笑うAさんがとても愛おしかった。苦しいぐらいに胸が締め付けられる。
「イルカショーあるみたいだぞ」
「え、本当？私見たことないの、行きたい！」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 225人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わか(プロフ) - みんとさん» コメントありがとうございます！ご期待に添えるように頑張ります！ (2020年3月30日 6時) (
レス) id: c590ef5e52 (このIDを非表示/違反報告)
みんと - 今回は轟くんなんですね！展開が楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2020年3月29日 21時) (レス) id: ecd32e4b78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わか
| 作成日時：2020年3月29日 14時
