Hi美侍忍者と学園生活始めました！2 (ページ3)

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ヒヤリとした顔ページ3

私はアンカー前で、元木先輩がトップバッター、そして颯太がアンカーである。

固定しても痛みが走る足をなんとか普通に見立てて、整列する。

颯太「A！絶対勝とうね！」

『うん。勝とうね。』

私が辞退したくないのは、颯太も何割か関わっている。

夜遅くまで競技を練習して絶対勝たそうね！と言い合ったから。

満面の笑みを私に向ける颯太。

その笑顔見たら少し足首の痛みが引いた気がした。

今野「A。ごめん、嶺亜に俺言った。」

靴紐を結んでいると、今野先輩が喋りかけてきた。

まあ、嶺亜に言ったのは今野先輩だと思ってたからそんなに驚きはなかった。

『いえいえ！こちらこそすみません。』

今野「...無理しすぎずに、頑張れよ。」

そう言い残して、今野先輩はフラーっとテントの方へ戻って行った。

照れくさくなったのかな。

そんなことを思っていると、リレーが始まった。

トップバッターの元木先輩。めちゃくちゃ楽しそうだけど、一瞬真剣な顔になったのがとってもかっこよかった。

足首の痛みが思い出したように痛み出した。

痛い、けど。

ここは私の意地の見せ所だ。

私の番になり、バトンが手に渡る。

受け取り、1歩を踏み出す。

痛みが電流のように流れるけど、なんとか持ちこたえて走り出した。

大光「おい、あいつ走り方おかしくない？」

大昇「...怪我してる？」

猪狩「まじかよっ！」

やっと颯太の顔が見えてきた。けれど、顔は曇っている。

不思議に思いながらも、颯太にバトンを渡したけど、颯太は出発しようともしないし私の手を強く握っている。

『なにしてんの！負けちゃうよ？！』

颯太「...それ、あとで聞かせてね。」

そう言い残して颯太は私の手を離して走り出し、ドンドン2位から距離を離していく。

でも私は、こんなに息が上がってるのに、体がヒヤッとした。

颯太のあんな怖い顔、初めて見たから。