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side Black and white

最初の内は物珍しいのかキョロキョロと辺りを見回しながら歩いていた初心者の彼__もとい音楽家のAさんはふと、視界をチラついたであろう祭祀を追いかけ始めていた。

彼の戦いぶりは私達を圧巻するほど美しかった。剣を振るうしなやかな腕、獲物(サバイバー)を仕留めようという意志を持ち…楽しげに輝く瞳…

その全てが我々ハンターを虜にした。
隣で見ていた美智子さんも、真っ白な頬を赤く染め興味深そうな目でモニターを見詰めている。

『凄いですね…彼、』

小さく感嘆の声を漏らせばそれに同意するように、リッパーさんが頷く。
ジョゼフさんも珍しく鼻歌を歌いながら、モニターを眺めている。

試合は進み残りのサバイバーもあと一人となった。最後の1人は傭兵だ…中々最後に残したく無いサバイバーだと思う。
だがしかし、Aさんはにこにこと笑顔を浮かべ歩いて居る。

傭兵を見つけたのだろう。浮かべていた表情を消せば、剣を構えて歩き出す。

…ここまでは普通だった。問題はこの後だ。
傭兵は何を思ったのか踵を返し戻ってくる。一言二言言葉を交わしているのか、Aさんはまた笑顔を浮かべた。

「何してはるん…?」

美智子さんが不思議そうに声を上げた。
皆さんも同じ気持ちだったのか頷いたり、声を漏らしたりしている。

「確かに…最後なんだから早く吊ればいいのに」

クルクルと髪の毛を弄りながら呟くジョゼフさんは、モニターを見ながら眉間に皺を寄せている。

『全く…、Aさんは本当に不思議だ…』

小さく呟けば、リッパーさんがニヤニヤと不気味な笑みを浮かべながらこちらを見ている。首を傾げれば

「そこが彼の魅力、だろう?」

と告げた。私は戸惑いながらも頷く事しか出来なかった

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らんぜ - 個人的に凄く好きなのでこれからも頑張って下さい!! (2020年10月26日 20時) (レス) id: 9ef57ccbaf (このIDを非表示/違反報告)
紅桜リサ(プロフ) - 梨穏さん» ただいまです…!待ってて頂けて嬉しいです…!!!本当にちまちまですが頑張ります! (2020年1月6日 18時) (レス) id: 2d53295c5b (このIDを非表示/違反報告)
紅桜リサ(プロフ) - めんつゆたまごチャンさん» わぁ!!!!!!!作者も同じ思考を持ちましたよ!!!( )閲覧ありがとうございます!ちまちま更新ですが是非見てやってください…! (2020年1月6日 18時) (レス) id: 2d53295c5b (このIDを非表示/違反報告)
梨穏 - わーー、お帰りです!!ずっと更新待ってました!自分のペースで頑張ってください!応援してます(*^^*) (2019年12月29日 23時) (レス) id: 000340efc7 (このIDを非表示/違反報告)
めんつゆたまごチャン(プロフ) - 凄く面白いし切ないですね…!画家でリッパー…もといジャックを思い出してしまった私は重症((更新頑張ってくださいね! (2019年8月18日 0時) (レス) id: 456520fef0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おきつね x他1人 | 作成日時:2018年12月8日 11時

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