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汐「なにがあったん、なんでそんな泣いて」

『見んかったことにして、絶対学校の人には言わんで』

汐「言わん、絶対に言わんから落ち着け」

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こう話している間にも
自分の口から出る「隠したい」という思いに抗えず
ただうまく言葉にできない悲しみと後悔が涙になって流れる

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『...自分が嫌い』

汐「...おじさんか」


その愛称を聞いて背筋がゾッとする

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『...なんで』

汐「まさか、ほんまにあの人なん」

『...学校帰り、迎えにきたって言うから、車に乗ったら、もう』

汐「分かったから、もう言わんでいい」

『...私は馬鹿だから、何も疑ってなかった、だって』

汐「だから言わんでいいから」

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鶴房は私の後ろの席で
学校以外では一度もこうして話したことはなかった

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いつも男子とふざけているのに
変に達観しているところがあってすごく落ち着いている性格なのは知っていた

その優しさにホッとして、漠然と涙が止まらない

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汐「...もう、あの人には絶対会うな」

『...もう私からは絶対近付かん、でも、分からん、あの人が突然近付いてくるかもしらん』

汐「...帰りは絶対俺と帰れよ、家まで必ず送っちゃる」

『...うん』

汐「あと、今日会ったことは全部忘れていいから、あの人のことも俺は知らんし今日Aに何があったなんて知らんから」

『...うん』

汐「...立てる?...寒いけもう帰ろうや」

『...今帰ったら、親に顔合わせられん』

汐「...じゃあまだここおろっか」

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.

あのとき公園に現れたのが鶴房じゃなかったら
そう考えただけでもゾッとする

ただ

あのとき公園に現れたのが鶴房だったから

鶴房だったから、いけなかったんだ

.→←愛 _Shion.T_



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リエ - お話全部全部大好きです!毎日読んでます!美大生さんのお話がまた読めるようになれば嬉しいです。これからもずっと応援してます!! (2021年8月26日 22時) (レス) id: 011c73e51d (このIDを非表示/違反報告)
みぺ - どのお話も長編で読みたいぐらいきゅんきゅんします!いつも楽しみです! (2021年7月4日 0時) (レス) id: 58efb808d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハム | 作成日時:2021年6月30日 19時

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