一線 _Shion.T_ ページ16
.
.
好きな男を忘れるには
新しい男で忘れろ、なんて聞き覚えがある
.
鶴「なーに、今違うこと考えてたやろ」
『…別に？』
.
2週間前、私は3年半付き合っていた彼氏に振られた
私の知らない間に新しい女がいて
その子を本気で愛してる、なんて
私に愛してる、と言った同じ口で言ってたっけ
.
鶴「つか、なんで夜に呼び出して、やりたい気分にでもなった？」
『気分転換だっつってんの』
鶴「ごめんて笑」
隣でニヤニヤ笑う汐恩は私の一個下で
かれこれ5年以上の付き合いだ
.
失恋した傷心で実家へ帰省し
2週間経った今、帰ってきてからのほとんどを汐恩と過ごしている
夜突然寂しくなって心が辛くて
今から会えないか、と汐恩に連絡したら
じゃあドライブでもするか
なんて誘い出してくれた
.
鶴「…大丈夫やって、恋愛なんていつでもできんねんから」
『…うん』
鶴「なんか塩らしいな元気出してくれよ、何食ったら元気出る？アイス？チョコ？」
『…食欲無いしなぁ』
鶴「じゃあ何がいいん」
『…汐恩って今彼女いんだっけ』
鶴「いや、おらんけど」
『じゃあさ、…私の事抱いてくんない？』
鶴「…それほんまに言ってる？」
『こんなとこで冗談言うわけないでしょ』
鶴「…後悔しても知らんで」
.
夜景を見に行こうと高速を走っていた車は
ド田舎のインターを抜けて、閑静なホテルに着いた
.
部屋に入るなりキングサイズのベッドに押し倒された
.
鶴「…元彼のこととか、俺に重ねんなよ」
『…どうかな』
鶴「一線外す前に本音言うけど、俺は出会った時からAが好きやった」
『え？』
鶴「彼氏出来た時も別れろ別れろって呪い続けてん、呪いが効いたんか知らんけど、俺は今、正直嬉しい」
『…』
鶴「好きな女から誘われて、乗らない男なんておらへんやろ」
『…』
鶴「…なあ、なんか言えや」
.
『…もう誰のものでもない、…好きにしていいよ』
鶴「…アホか」
.
汐恩と体を重ねた
あの人を思い出して涙が溢れた
汐恩にバレないように顔を見られないよう、抱きついて泣いた
.
あーあ…
.
一線踏み外しちゃったな
勿忘 _Ruki,Junki_→←告白 _Shosei.O_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 399人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「JO1」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リエ - お話全部全部大好きです！毎日読んでます！美大生さんのお話がまた読めるようになれば嬉しいです。これからもずっと応援してます！！ (2021年8月26日 22時) (
レス) id: 011c73e51d (このIDを非表示/違反報告)
みぺ - どのお話も長編で読みたいぐらいきゅんきゅんします！いつも楽しみです！ (2021年7月4日 0時) (レス) id: 58efb808d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハム | 作成日時：2021年6月30日 19時
