鯉登専務！職権乱用はいけません！ (ページ7)

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『身体はボロボロなの！もうバキバキ！だから内臓もボロボロにするの！』

２軒目は私達の行きつけの、キロちゃんが経営するバー
昼はカフェになるんだからオシャレよね〜

「今日は大分お疲れだな…何飲む？」

メニューを差し出してくれるキロちゃん
着席早々訳分からんこと言っても引かないでくれる…優しい…

『決意のテキーラで』

「ちょっとA〜」

「宇佐美、もう諦めろ。奴は肝臓を酷使無双する気だ」

キロちゃんはしょうがないな、とでも言いたげな表情で
淡いブルーの液体が注がれたショットグラスを私の前に置いた

『私の好きなやつじゃん！さすがキロちゃん！』

「この店のテキーラはほとんどお前が消費してるようなもんだからな、覚えたよ」

へへ、お恥ずかしい…

「さすがに引くわ」

『え〜？百ちゃんも飲みなよ〜』

「Aと百ちゃんで勝負しなよ〜」

「その呼び方やめろ」

お酒が回って、頭がフワフワする、楽しい

あーあ、この時間一生続かないかな〜…

「ダーツで勝負ならいいぞ」

『やだよ！百之助ばかみたいに強いもん！』

「相撲しよ相撲」

「おいおい…俺の店を土俵にするなよ？」

結局ダーツは百之助の一人勝ち、私と時重で対抗しても何度かズルしても勝てなかった

2人で仲良くショットを煽り、レモンを齧る

「あれ、Aの携帯鳴ってない？」

オレンジをチュウチュウ齧りながら、時重が私のスマホを指差す

『あ…ほんとだ』

なんか…嫌な予感…

恐る恐る光る画面を覗き込めば、はい！やっぱりね！

【坊っちゃま】の文字

鯉登専務だ

「ちょっ！坊っちゃまってもしかして鯉登専務のこと！？プクク…」

『そう、静かにしててね』

はぁ…いったい何の用なんだか
どうせ、ねるねるねるねの食い方が分からないとかそんなくだらない事だろう

溜息を押し殺し、通話ボタンをスライドする

『はい、右代です』

《貴様！！電話にはすぐ出ろと言っただろう！√○%☆/ﾟ／;♪ □！？》

『あーもう何言ってるかわかりません！ご要件は！？』

「…ぐ、っ…くくく…」

「だめ…しぬ…坊っちゃまて…」

「坊っちゃまめっちゃ怒鳴ってる…ぷぷ…」

2人とも、笑い堪えられてないし
聞こえるからやめてよ…

《今どこにいる？どうせ1人寂しく酒を飲んでいるんだろう、私が最高級のワインとディナーを奢ってやってもいいぞ》

『はい？』