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「兄さあも他んけねも、おいを不甲斐なかち思うちょるんじゃらせんかって… 」
少尉もすこし酔ってるのかな
方言が出てきて、ちょっと分からないけど…
きっと自分が代わりに死ねば良かったなんて暗いこと思ってそうだな
『不甲斐なくないですよ、充分です。
私には弟がいるから少尉殿の兄上様の気持ちが少し分かるんです』
どこでどんなことをしていても生きているだけで充分だと思える、それが兄弟なんじゃないかな
私が死んでも、弟には元気に生きててほしいし
『なにか功績をあげるよりも、健康で幸せそうに笑って生きててくれる方が嬉しいものですよ〜』
「…そうなのか」
『はい！こういうの日本語でなんていうんですかね…えっと…あっ！！そうです！！無償の愛です！』
そう！見返りなんかいらない！
少尉の兄上様の気持ちわかるなぁ
こんなに気にして頑張ってる弟の姿、可愛くて仕方ないよね
今もこの姿を見て、天国で身悶えてるんじゃないかな
自分の弟と少尉を重ね合わせると、自然と頬が緩んだ
『生きているだけで誇らしいですよ
愛してるからこそ、そう思えます』
だから大丈夫
そう言って少尉の方を見ると、水槽の金魚が空気を取り込むように唇をパクパクと動かしていた
「き、キェ…」
キエ？
「きっ、貴様のように呑気な奴は初めて見たっ！！ヘラヘラしおって！！」
『はああ！？！？』
呑気！？
私が！？
どこが！？
なっ…
『なんなんですか！？人が優しく声かけてんのに！！』
そう言うと少尉は、フン！と顔を逸らした
『ちょっとぉ！なに逃げてるんですか！こっち見なさい！ほれ！』
ぐいーっと少尉の両頬を掴んで無理矢理目を合わせる
視線がかち合うと、少尉の顔は薄暗い室内でも見て取れる程どんどん赤く染まっていく
「ぐ…離せ…馬鹿…」
落ち込んでると思って励ましたのに！
ほんっとにこの少尉失礼！！無礼ぶっこき少尉！
『謝ってください、私は呑気じゃないです！ヘラヘラもしてません！』
「…め」
『え！？』
声小さくて聞こえない！
「この野猿め！」
『はー！？じゃあ少尉は猿山の大将ですね！！』
「なんだと！？」
ムキー！！もう許さん！
二度と少尉になんか優しくしない！
怒った私はボトルに残ったワインをそのまま飲み干し、店の代金を全部支払って出ていった
ふん、部下に奢られるなんて恥ずかしいでしょうね！
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禀(プロフ) - 今読んだけど、超神作。更新頑張ってください！！ (2月19日 6時) (
レス) id: 71390a603d (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - まさかの更新停止;_; (2022年7月7日 15時) (レス) @page9 id: 2b6b2b0610 (このIDを非表示/違反報告)
迷彩ミント(プロフ) - 鯉登少尉めっちゃ可愛いです！更新頑張ってください！ (2021年12月23日 0時) (レス) @page9 id: db841188ef (このIDを非表示/違反報告)
推し尊い(プロフ) - 鯉登ちゃん可愛いぃっっ (2021年11月7日 16時) (レス) @page9 id: 83b850b061 (このIDを非表示/違反報告)
篠宮輝夜(プロフ) - とても面白いです!!鯉登さんの突っかかり方がツボに入ってしまって…更新頑張ってください! (2021年9月24日 20時) (レス) id: 2fc8f791c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芝 | 作成日時：2021年9月13日 3時
