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『…誰か上がってきますね』
「…」
銃声が止み、すぐに階段を駆け上がる足跡が聞こえてきた
鶴見中尉はこれを分かっていたのだろうか
『杉元！？』
階段から上がってきたのはこの間うちの兵舎から逃げ出した杉元だった
なんでこんなところに…
「奇遇だな…不死身の杉元」
「鶴見中尉…！」
今の杉元は拘束もされてない
なんなら武装してる
うわもう死んだ…
距離を詰められたら確実に息の根を止められる！！
中尉！うちら逃げなきゃ！
半べそをかいてると視界の端で火花が散った
ドドドド、と轟音が鳴り響く
おじさんがマシンガンを乱射し始めたのだ
「泥棒カモメが御殿まで入ってきたか！試し打ちに丁度いいわ！！」
ちょっ…
やりすぎやりすぎ！！！！！！
「うおおおおお」
先程まで中尉が弾いていたピアノも、杉元たちが弾除けに使うせいで既に蜂の巣だ
『ぎゃああああ！！！』
マシンガンは方向転換し、どんどんこっちに向いてくる
やりすぎおじさん！！！
狂ってる、狂ってるよこのおじさん！！！！
私に当たる当たる！
下手くそ！
「やめろ殺すな」
ガツンとおじさんの頭を打ち、中尉が気絶させたことでやっと乱射は止まった
『死ぬかと思った……』
「立て、追うぞ」
鶴見中尉に腕を引かれるまま、御殿の外へ飛び出す
杉元の姿はもう見えない
どんだけ足が速いんだ
『海に逃げるはずです！』
「全員海へ急げ！」
鶴見中尉の一声で外で待機していた兵士がすごい勢いで海岸へと走る
「准尉！足元に気をつけてくださいね！」
私…昼間からなにをやらされてるんだ？
頭の中はそれでいっぱいなのに、足を止めることができない
海が見えた時、丁度杉元と誰かが揉めてるのが見えた
あれが噂の刺青の囚人なのだろうか
初めて見た…
大人しそうに見えるのに
そう思っていた時、海から飛び出したシャチが囚人らしき人物を海へ引きずり込んだ
でええええええ！？！？そんなことある！？
本当に現実？
「…船を用意しろ！！」
呆然とする私を月島が引きずり、あれよあれよというままに船に乗せる
ほんのり透けて見える海中には、シャチやくじらがいる
ここに落ちたら…
『つ、月島ぁ！怖い！』
「はいはい、しっかり掴まっててくださいね」
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芝(プロフ) - 鮭マヨさん» コメントありがとうございます。とても励みになります…(;_;)これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年9月13日 1時) (
レス) id: ac408ee6ee (このIDを非表示/違反報告)
鮭マヨ - この作品ほど更新が終わってほしく無いと思ったの初めてです…更新めっちゃ楽しみにしてます…！ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芝 | 作成日時：2021年8月31日 2時
