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宇佐美のせいなのに…
怒られた…私だけ…
月島軍曹にあっという間に捕まり
私は、鶴見中尉がいるであろう執務室の前まで連行された
うそ…廊下走っただけでこんな仕打ち…
私、消されるの？
「そんなにしょんぼりしないで下さい。別に言いつける訳ではありません」
『…ほんと？』
チラッと月島を見上げると、コクリと頷く
なぁ〜んだ良かった！
心配して損だったぁ
「…尾形をやったらしき人物を捕らえたと報告が入りました」
『えっ…』
「あまり近づいては危険ですので、准尉はここで」
もうすぐ出てくるでしょう、と月島は続ける
尾形は誰かにやられたの？
あれは崖から落ちた傷じゃなかったんだ…
だとすると相手は相当な猛者だ
普段彼らの訓練に混じり、その様子を見てきたから分かるのだ。第七師団が陸軍最強と謳われる理由が。
その第七師団の一員を一蹴にするような相手、私なんかが到底適うわけない
扉の向こうにいる見たことも無い強敵を想像し、握りしめた拳に力が入る
部屋の中はなにやら騒がしく、二階堂兄弟たちの声も聞こえる
「…〜しろ！」
揉める声と共に、数歩先にある真っ白な扉が開く
月島が1歩前に出て、私を隠すように前に立ちはだかる
軍帽の男が、二階堂に連れられて出てくる
その男と目が合った瞬間、ゾクリと背中に悪寒が走った
顔の中心にある大きな傷が印象的で
手負いの獣のように、息荒く、鋭い眼光は
少しでも近づけば、瞬きを1つする間に命を奪ってしまいそうだ
まるで、獰猛な肉食獣に睨みつけられたように身動きが取れない私は、二階堂兄弟に連れていかれる男をジッと見ていた
頬には細い串のようなものが２本刺さっていて、とても痛ましい
『ひどいケガだな…』
「彼は不死身の杉元です。あんな傷、大したことないでしょう。」
月島が淡々と告げる
『不死身？』
「……はい、ご存知ないですか」
あ、しくじった
そう思った
きっと軍人の中でその名は有名だったのだろう
まさか知らないのか、とでも言いたげな月島軍曹の目は、私への疑いの色が滲んでいる
『あ、あぁ…彼がその杉元か』
「…はい」
うまく取り繕えているだろうか
嘘で塗り固めても、月島は目敏い
もしかしたらこんな知ったかぶりでは誤魔化せていないかも知れない
「奴は刺青人皮を持っているかも知れません」
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芝(プロフ) - 鮭マヨさん» コメントありがとうございます。とても励みになります…(;_;)これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年9月13日 1時) (
レス) id: ac408ee6ee (このIDを非表示/違反報告)
鮭マヨ - この作品ほど更新が終わってほしく無いと思ったの初めてです…更新めっちゃ楽しみにしてます…！ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芝 | 作成日時：2021年8月31日 2時
