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それから数日、私は気が気でなかった
毎日尾形の病室に通い、様態が回復するのを待っていた
弟と…寧一郎と尾形を重ねて見てしまうほど
私の情緒は不安定になっていった
私以外の兵士は外での任務を課されたのか、兵舎の中は何人も出たり入ったりと忙しい様子だった
私は海外からの商業目的の来客の相手を鶴見中尉の代理として立ち会ったり
その合間に尾形の病室に行く
そんな生活が2週間程続いた頃、尾形の意識が戻ったのだ
『…まだ喋れないのですか？』
「はい、顎が砕けてしまったので」
急いで病室に来たというのに、顎を損傷した尾形は喋れないという
看護婦が申し訳なさそうに言うので、逆にこちらが申し訳なくなってしまった
『あの…ちょっと2人にしていただけませんか？』
看護婦が出ていき、ジッと私を見つめる猫目と視線を合わせる
顔の怪我も少しばかり良くなったようだ
すっかり伸びてしまった髪がやけに愛おしく感じた
『…心配したよ』
「……」
『単独行動していたのか…？どうしてそんなこと』
「……帰れ」
え…
『喋れるのか！？』
本当は今すぐ1発殴ってやりたいぐらい心配したし腹が立っていたはずなのに、尾形が喋れたことに驚いて
そんな怒りも吹き飛んでしまった
『なんで隠し…』
「静かにしろ、よく聞け」
いつの間に回復したのか、今まで一切動かさなかった
尾形の左腕は私の襟元を引っ張った
「今すぐ東京に帰れ、おまえはここにいていい人間じゃない」
顔を寄せ、尾形は静かに続けた
「鶴見中尉はクーデターを起こそうとしている」
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芝(プロフ) - 鮭マヨさん» コメントありがとうございます。とても励みになります…(;_;)これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年9月13日 1時) (
レス) id: ac408ee6ee (このIDを非表示/違反報告)
鮭マヨ - この作品ほど更新が終わってほしく無いと思ったの初めてです…更新めっちゃ楽しみにしてます…！ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芝 | 作成日時：2021年8月31日 2時
