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「…外で飲むのは控えろ」
『は！？なんでよ！？』
尾形といると喋らないからか、酒を口に運ぶ回数がつい多くなってしまう
『あぁ〜もう無いや……すみませーん！！同じのくーださいっ！』
「そういうとこだぞ」
飲みすぎだ、と私のお猪口を塞ぐ尾形の手
『デロデロに酔うのが楽しいんでしょ』
ふん！と顔を背ければ溜息が聞こえる
ふひひ、困ってる呆れてる
普段バカにしてくる相手を煽るのは気持ちがいいぜ！
「隙が多いんだよてめぇは…」
イライラした様子の尾形につい笑みがこぼれる
「何笑ってんだ、襲われてバレても知らねえぞ」
手元に届いた満たされた徳利を尾形から奪い取り、また注ぐ
『…それよりさぁ、尾形』
『私の弟…寧一郎のこと避けてたって聞いたんだけど…嫌いだったのか？』
脳裏に浮かぶ、三島の言葉と尾形の言葉
少し驚いた様子の尾形は、ゆっくりと瞬きをしたあと正面に向き直り私から顔を逸らした
『別に怒んないから教えてよ』
「…」
ね？と顔を覗き込めば、尾形も目線だけこちらへ移した
「…別に、嫌いとかではなかったが」
そしてポツリ、ポツリと尾形は話し始めた
「似てたんだよ、俺の弟…花沢勇作と北里寧一郎は」
弟…いたんだ
苗字が違うのは腹違いなのか
「顔とかじゃなく…なんだろうな、笑い方や話し方か
…いや、取り巻く空気か。とにかく癪に障る…」
尾形がまた頭へ手をやる
「あの、人を憎むことを知らん様が……人を殺したことのない清い人間像が気に入らなかった、おまえの弟もそうだ。ヘラヘラと話しかけてくるから何度も戦乱に紛れて殺してやろうとしたさ」
『…花沢さんは』
「あぁ、…俺が殺した」
「どうした、軽蔑したか？」
はは、と乾いた笑いをこぼし、尾形の手は自分の頭を撫であげる
そしてそのまま、母の作ったあんこう鍋に殺鼠剤を混ぜ殺したこと、自らの手で実父の自刃を偽装したことまで話してくれた
時折、自分の頭を撫でながら
「俺を人殺しと罵るか？」
全てを話し終え、尾形はそう言った
あぁ…分かった
この人は怖いのだ
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芝(プロフ) - 鮭マヨさん» コメントありがとうございます。とても励みになります…(;_;)これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年9月13日 1時) (
レス) id: ac408ee6ee (このIDを非表示/違反報告)
鮭マヨ - この作品ほど更新が終わってほしく無いと思ったの初めてです…更新めっちゃ楽しみにしてます…！ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芝 | 作成日時：2021年8月31日 2時
