手記肆拾壱頁目 ページ43
Aside
頬が灼けるような痛みに意識を覚醒させると、視界にはあの嫌な天井が目に入った。
私はいつの間にかあの狭く暗い部屋に居た。
「あぁっ!目が覚めたのか!!」
身体を起こそうとすると扉から、私の姿を見た兄が駆け寄ってきた。
『ええ、お兄さ……!』
"お兄様"と言い終わる前にお兄様は駆け寄ってきたかと思うと勢い良く、しかし私の身体を案じてか優しく抱き締めた。
「嗚呼、良かった……!」
私の肩口に顔を埋め、私の着物を濡らし鼻を啜るお兄様を宥めるように、私もゆっくりと抱き締め返した。
『お兄様、どうか泣かないでください。私はちゃんとここにおりますから。』
そう私が言うとお兄様は、私の着物をぎゅっと力強く握って
「お前が……Aが目の前で倒れた時、心の臓が止まりそうになった……。」
そう震えた声でお兄様は言うと、私をより一層強く抱き締めた。
『……心配掛けてごめんなさい。』
私がそう謝るとお兄様は私から一度離れ、涙で濡れた瞳を細めて私の頭を優しく撫でた。
「お前が無事なら、それでいい。」
暫くそうやって撫でられていた所で、フッと撫でられる手の感触が無くなったかと思うとお兄様は横に倒れていた。
『お兄様……!』
慌ててお兄様の顔を覗き込むと、先程まで気が付かなかったが目の周りに縁取る隈や規則正しく聞こえる寝息から大事では無いと一安心して、私の布団を掛けてあげた。
285人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
主人公(プロフ) - まゆまゆさん» 本作品を見つけて頂きありがとうございます!私も映画見る前はそうでした笑是非ともこれからもご愛読頂けると嬉しいです(^^) (2021年3月26日 15時) (レス) id: b1a69e75f8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やぁ〜、猗窩座とのお話しを探して三千里(はっ?)なかなか書いてらっしゃる方居なくて、見付けたら嬉しくて善逸みたいに汚ない高音でイィヤァァァア〜状態w自分無限列車何も知らずに観に行って猗窩座の第一声で石田彰さんて解って涎垂らしそうな程で、幸せ (2021年3月26日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
主人公(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。やっとこさ1を書き終えました。続編も近日公開致しますので是非ともこれからも応援お願い致します! (2021年3月18日 18時) (レス) id: 1c0023d245 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 初めまして!この作品大好きで、ずーっと更新をお待ちしてたので嬉しいです!!!はくじさんと早く会えますように( ; ; )最後どうなるのか気になります!! (2021年2月21日 7時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年1月9日 5時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ