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舘さんが、亮平と話したことを教えてくれて。
普段は話してくれない亮平の気持ちが、
少しだけ分かったような気がした。
今日は、自分から休むって言ってくれたけど。
毎日、泣いてしまって、具合が悪くなるのは、
きっと亮平にとっても良くないと思うし。
佐久間にも来てもらって、相談することにした。
佐久間が、亮平の横に座って、落ち着くように、
背中や肩をさすってくれる。
佐久間「阿部ちゃん、最近、勝手に涙が出てくることない？」
亮平は、困ったような顔で、佐久間を見て、小さく頷いた。
阿部「うん、朝、起きたら、泣きたくないんだけど、
涙が出てきて、止まらなくなる」
そう話す今も、だんだん涙が浮かんできている。
佐久間「そうだよね。そういうときはね、
無理しないで、ゆっくりお休みした方がいいんだよ」
阿部「違うの、大丈夫！頑張れるから！」
慌てたように訴える亮平を、佐久間が落ち着かせて。
佐久間「佐久間さんも、昔、そういうときがあってね、
ちょっと無理しちゃって、大変だったんだ」
少し悲しそうな顔で話す佐久間を、
ジッと見つめていた亮平から、涙がこぼれる。
佐久間が大変だった時期を、俺やふっかは知っていて。
今でもときどき、調子悪くなったりするし。
だから、余計に、亮平には無理をさせたくないと思っている。
岩本「亮平、しばらく学校、お休みにしようか」
阿部「……お休みしてもいいの？」
俯いて、消え入りそうな声で、聞き返される。
岩本「うん、いいよ」
実際に、今朝、体調が悪くならなかったのが、
亮平が学校に行きたくないという証拠だと思うし。
岩本「来月、病院の先生に相談してみて、
少しずつ頑張れるように、考えようか」
『来月……』と小さく呟いて、少し考えこんで。
阿部「うん、お休み、したいです」
コクリと頷いた亮平の頭を、佐久間がなでる。
佐久間「うん、良かった。
その方が、俺たちも安心だからさ」
佐久間が亮平に笑いかけてくれて、
ようやく、亮平も安心したような顔を見せてくれた。
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作者名：アクモ | 作成日時：2023年2月1日 20時
