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伍拾漆──ぼたん ページ12

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 再会を喜び、あれこれ話しているうちに二週間。特別仕様の隊服と刀が届いた。除厄の面も受けとり、さっそく着替えているのだ。
「師匠、終わりました」
 ふすまを開け、顔をのぞかせたA。縁側に座っていた寧時はおう、と振りかえる。それを見てAも部屋から出た。
「お、おお……なんつーか……かっこいいじゃねえか」
 肩から胸の下へ、み空色から白練色へのグラデーション。ブルーカルセドニーを思わせる、奥行きのある青の袴。狐の面は、左耳から左目にかけてレースアゲートのようなしま模様が描かれ、薄い青から濃い青へと広がっている。
 そして腰に差してある刀。とても濃い青に染まったため、刀鍛冶が大騒ぎしていた。純白の(さや)には金の唐草のような装飾がひかえめにほどこされている。(つば)も金で、ここにも唐草が彫られていた。柄糸(つかいと)は白の片手巻、(はばき)は金だ。この二色が高級感を漂わせる美しい一本である。錆兎が持っているのも同じ物だ。
「なんか、すごい特別感というか……こんな大層なめだつ格好でいいんでしょうか」
「おいおい、面をつけてるときは男なんじゃねえのかよ」
 あっ、と声をもらし、Aはあわてて咳ばらいをした。自己紹介してみろ、と振られ、うなずく。
「……俺、は」
「おう、お前は?」
「俺、の名前は瑪瑙です……だ」
「ぶっははははははっ、ははは、です、だあ!? ははははは、こりゃ、はあ、おもしれえ、ははは!」
 普段よりも幾分か低い声だったが、やはり急に慣れた一人称や口調を変えるのは難しい。これにいつ慣れるのか、寧時は興味でいっぱいだった。
「師匠、笑わないでください!」
「笑うな、だろ! ぶは、ははは、はは!」
「……もう、わ、笑うな! 俺は水狐の瑪瑙だあっ!」


ボタン──壮麗、誠実、恥じらい

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設定タグ:鬼滅の刃 , 錆兎 , 長編   
作品ジャンル:恋愛
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Rabbita(プロフ) - kokonaさん» とてもうれしいです、ありがとうございます。一ヶ月に一度の更新をつづけていけるように尽力いたします。今後ともよろしくお願いいたします。 (2023年4月13日 2時) (レス) id: 107e758410 (このIDを非表示/違反報告)
kokona(プロフ) - 投稿楽しみにしていました! (2023年4月8日 12時) (レス) @page39 id: d3088186d6 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbita(プロフ) - かおりさん» ありがとうございます。 (2022年12月19日 19時) (レス) @page36 id: 107e758410 (このIDを非表示/違反報告)
かおり - よかったです!これからも更新楽しみにしてます! (2022年10月22日 18時) (レス) @page35 id: bc17a1db16 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbita(プロフ) - かおりさん» ご心配ありがとうございます、ただいま更新させていただきました。「待ってます」とのお言葉に本当に救われました。不定期ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします。 (2022年10月16日 15時) (レス) id: 107e758410 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rabbita | 作成日時:2022年1月1日 19時

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