私と別れて欲しい【狗巻棘】【完結】

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「挙式は9月10日になったわ。

あんたの誕生日だからって西園寺さんが提案してくれたの。

多くのお偉いさん方がおいでになるからくれぐれも失礼のないようにね」









『…そんな！！結婚式なんて…』









…西園寺財閥の方々が帰り、ぴしゃりとそう言われた。









「西園寺家と天國家が結び付けば良い転機になるわ〜！

本当に司さんに感謝ね。」









母親は私の話を聞く様子は全くない。









「さっ、もういいわよ。部屋に戻りなさい」




『…わかった』









用が終われば適当にあしらわれる。

親もきっと私のことはどうでもいい。

重要なのは西園寺財閥との関係。









「あ、あと」




『…なに』




「家から抜け出したりなんてしたら…

分かってるわよね？」




『…しないよ、そんなこと。』








私は自分の部屋へ上がる。









『…はぁ』









好きでもない人との結婚まで、あと2か月らしい。





スマホも母親の手元にあるし、家からも出られない。









これからの人生に嫌気がさしてくる。









…棘くん、今どうしてるかな。









私はベッドでゆっくりと目を閉じた。

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