８ 二卵生双子 ５ ページ8
さて、翌日。
『〜♪』
鼻歌を歌いながらジスさんの来店を待った。
その様子を横目で睨むはスングァナ。
その視線に全く気づかず楽しく準備をするは私。
気にも留めず読書をするはハンソルくん。
今日はキャラメルマキアートじゃない。
外は寒いのでホットコーヒーを頼んできた。
コーヒーを啜りながら本のページをめくる。
『それ、何の本？』
私はカウンターに肘をついて身を乗り出してハンソルくんに聞いた。
「ハムレット」
『…ハム？』
「シェイクスピアが書いた話だよ
知らないの？Aさん」
私と同じように肘をついて可愛く顔を傾けて言ってきた。
その表情に見下されてる感じがしてムッとした私は ついていた肘をヒョイッと引っ込めて
『知ってますとも』
と すまし顔をしてまた作業に戻った。
ハンソルくんはクスクス笑って本の世界へと戻った。
彼は綺麗な顔してたまにＳっ気をだしてくる…。
「こんにちは」
店のドアが開いたと同時に爽やかで甘い声が店内に響いた。
『ジスさんっ！』
私はトテトテとジスさんに近づいた。
彼はそれを目で追いながら「こんにちは Aさん」と微笑む。
その微笑みに一瞬クラッとした。
「いらっしゃい ジスくん」
「ぶーちゃん やっほ」
スングァナに軽く手を振っている。
スングァナの奴…羨ましすぎる…！！
眉間にしわを寄せて
嫉妬にも似た念をスングァナに送った。
そんなことしているうちに、ジスさんは既にカウンター席へと向かっていた。
「ハンソルくん、だよね」
「はい こんにちは」
「こんにちは」
私も急いでカウンターに戻った。
「ジスくん 何飲む？」
「んーと、キャラメルフラペチーノ」
ジョンハナと一緒だ。さすが双子。
…あ！そうだ！！
『スングァナ！それ私に作らせて！』
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作者名：ぶー | 作成日時：2015年10月27日 20時
