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あれは本音と建前、高校生なりの配慮だった
嫌われたくない、この関係性を壊したくない……私はそれくらい藤ヶ谷くんのことが好きだったからさ
河合「 ………そういえば！藤ヶ谷、あの頃女につきまわされていたよな。 」
「 女？ 」
河合「 あれ、A知らない？多分10年くらい前だったかな…デビュー直前くらいの時に、変な女に絡まれてたんだよ。ドラマで共演したとかいう若手の女優だったかな。デビュー目前なのもあってめちゃくちゃ警戒してたよ、藤ヶ谷。 」
そんな話知らない
藤ヶ谷くんと身体の関係を持つ前から仲良くさせてもらっていたけど、そんな話聞いたことも無いよ……
するとしばらく黙っていた北山くんが神妙そうな顔をして、そして何かを決心したように徐にだけど私の方をしっかりと見つめる
北山「 なぁ……もしかして、Aを守るために付き合わなかったんじゃねぇの？ 」
「 え？ 」
北山「 自分がデビュー前に問題を起こさないために、そしてそのゴタゴタにAを巻き込まないために、あとその変な女？ってのにAを関わらせないために。 」
何それ……どういうこと、
河合「 そうだよな？だって藤ヶ谷はAのこと、 」
北山「 おい、河合。 」
河合くんが何かを言いかけた時、それを止める北山くん
重大なことは教えてくれないのか
北山「 一度話し合ってみろよ。……A、あれから藤ヶ谷とまともに話してないんだろ？ 」
「 今更そんなこと言われたって、 」
北山「 過去は変えられないけど未来は変えられる。お前も藤ヶ谷も前を向ける良い機会になるんじゃねぇの？ 」
あぁ本当に私は良い先輩に恵まれたなって心底思う
感謝してもしきれない、私が何かに悩んで苦しんでいる時、いつも頼ってしまうのはこの2人だった
河合「 よし今夜はもう帰るか！藤ヶ谷と話し合えたらちゃんと俺らにも報告しろよな？ 」
「 河合くんも北山くんも今日は本当にありがとう。 」
私の何かが変わった日
北山くんと河合くんに沢山話を聞いてもらって、
そしてずっと知らなかった藤ヶ谷くんの抱えていたものに、ようやく気が付けた気がする
今なら藤ヶ谷くんと、きちんと向き合える気がしたんだ
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作者名：FON
| 作成日時：2020年8月8日 11時
