はっぴービっチは紅一点_3 (ページ13)

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# 苦しみの果てにページ13

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『もしもし、

北山くん。………今、お時間あったりしますか？』

何だか寝付けない夜は、どうも人を頼ってしまう癖がある

それでもメンバーに電話をかけたくない

そう思うのはちっぽけな意地なのか自分なりのプライドなのか

北山くんは、若干眠たそうな声で平気だよと言ってくれたのでその言葉に甘えることにした

『ねぇ北山くん、
………私の選んだ道って間違っていたのかな？』

北山くんとこうやって連絡を取るのは久しぶりだった

私が藤ヶ谷くんと仲の良かった頃は、それなりに仲良くさせてもらっていたけれど、SnowManに入ってからはめっきり交流が減った気がする

電話の向こうでは、うーんと唸るような声が聞こえてきて、そしてぽつりと彼が呟いた

北山『でもさ、お前のやってることって ”あいつ” と変わらなくね？』

”あいつ” 、名前を告げられなくてもその相手なんて分かっているわけで

北山くんと同じグループ、そして私の長年の想い人、

藤ヶ谷くん

北山『 Aのせいで、っていうのは酷いかもしんねーけどさ………それで、SnowManの皆は苦しんでいるわけだし。』

私はただ黙ることしか出来なかった

北山くんの言葉が、ナイフのように私の急所に突き刺さる、痛くて痛くて抜けなくて

でも、それが自分の罪なのかもしれない

北山『好きな人に振り向かれない、求められるのは体だけって………その苦しみ、お前が1番分かってるだろ？』

冷房をつけ過ぎたのか、芯から冷え込む体とは裏腹に、頭と心は熱を帯びたように熱くなる

温まったんじゃなくて、熱くなったの

『北山くんの説教の仕方めちゃくちゃ腹立つ。』

北山『お前から相談してきたんだろ、笑』

私の声が若干震えているのに気が付いたのか、北山くんがこれ以上私になにか言うことは無かった

『ねぇ今度河合くんも連れてきて3人でご飯行きたい。もちろん2人の奢りで。』

近々、またいつもの2人に話を聞いてもらおうかな

呆れながらもいいよと言ってくれる北山くんが、今の私の心の拠り所

やっぱり、エビキスは頼れる先輩だと確信した夜だった

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