#17 ページ17
*
それは怖くて言えないんじゃない
親が偉大だから ､ 親が好きだから
だから言えないんだって
別に母親に虐待されていると思ったことはないけれど ､ 精神的に縛り付けられているこれはある意味虐待なのだろうか
だとしたら ､ それに気が付けず声を挙げられなかった俺は一体 ､ どこまで餓鬼だったのだろう
" 大人になりたい "
馬鹿の一つ覚えのように呟いていた ､ 幼き少年
俺はまだまだ子どもなんだ
水を口に含むと ､ やはり逃げるようにしてそそくさと自室へ戻った
彼女に出会えなかったら俺は ､ どうなっていたのだろう
兄さんと同じ道を歩んでいたのだろうか ､ 逃げてしまったのだろうか
佐久間明日の音楽ってテスト?
阿部そうだよ
佐久間阿部ちゃん完璧?
阿部一応。成績良くしたいし。
そういえば ､ 兄さんは何処へ逃げたのだろうか
もう連絡する術もない今 ､ 兄さんが生きているのか死んでいるのかさえ分からない
……母さんは ､ あれだけしつこく重圧をかけていた兄貴が居なくなった途端 ､ 標的を俺に変えたとばかりに俺にプレッシャーを与えてきた
きっと母親が気にしているのは世間体
兄貴の心配をしている様子は無かった
母さんが変わってしまったのは ､ 父さんの蒸発が大きいと思う
それまでも幼い頃から勉強はするようにと言われてきたが ､ ここまで縛られてはいなかった
すれ違う度 ､ 目が合う度 ､
『 あんな大人になるな 』
『 あなたはきちんとした人になって 』
呪文のように言われ続ける
呪いのように頭を支配する
苦しかったのかさえ分からない ､ だってこれが普通だと思っていたから
あの日 ､ 空き教室で
『 お姉さんが ”大人” にしてあげよっか ？ 』
彼女とキスをするまでは
佐久間「 阿部ちゃん今日食欲旺盛だね〜？ 」
阿部「 そう？ 」
佐久間「 いつもより ､ パンの量が多い！ 」
阿部「 … たまたまだろ ｡ 」
彼女が俺を大人にするという名目で ､ 堕落させていたのは一目瞭然だった
朝 ､ 彼女に挨拶をされるだけで頬が熱くなる
授業にも集中出来ない
ずっとずっと上の空
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星架．(プロフ) - や、もう本当にFON様の作品好きです…佐久間さんの作品あたりから？ずっと読ませていただいてて、世界観に引き込まれるのが本当に凄いなって思います！私もいつかこんな作品を書ける様になれたら…なんて思いますがまだまだです、笑これからも応援しています！！ (2020年7月20日 5時) (
レス) id: 9669b3c911 (このIDを非表示/違反報告)
チャケップ(プロフ) - とても面白かったです！ このような作品を作ってくださりありがとうございます！！ (2020年7月20日 1時) (レス) id: 6f611996d1 (このIDを非表示/違反報告)
∞モンブラン∞(プロフ) - ビッチちゃんから飛んでいろんな作品を読ませて頂いておりますが、本当にどの作品も素敵で惹きつけられる物があるなと思える素敵な作品をありがとうございます！ これからもFONさんの無理の無い範囲で色んな作品を書いていって欲しいなと思います！ (2020年7月19日 23時) (レス) id: 9849a2eec9 (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 苺さん» コメントありがとうございます！そんなこと言っていただけて嬉しいです；＿；無事に完結しました、最後までありがとうございました！ (2020年7月19日 16時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 神山侑李さん» コメントありがとうございます！無事に完結しました！！最後までありがとうございました！ (2020年7月19日 16時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：FON
| 作成日時：2020年7月11日 13時
