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渡辺「……ここが、Aさんの自室になります。」
夕飯を食べ終わった後、私たちはそれぞれ別々の1人部屋へと通された
目黒さんの部屋は私の真横
何かあったらすぐに隣のドアを叩けって言われた
「案内して下さり、ありがとうございます。」
お部屋まで連れてきてくださったのは、先程ぶりの渡辺さん
さっきの出来事があり案内されるのが少し怖かったけれど、彼は何もしてこなかった
私の顔を見ることすらない
「渡辺さん、」
だけど、さっきの何か救いを求めるようなあの目を思い出してしまうと
どうしても気がかりで
思わず声をかけてしまった
渡辺「はい?」
「先程……私のことを誰かと間違われたようですが、その………私とよく似たその彼女は、どんな人だったんですか、?」
人のフィールドに土足で足を踏み入れてはいけない
そんなことは分かっていた
でも、彼は何かに取り憑かれたかのように私に接近してきた
あれを見てしまったら救いたいと思うのが人間の性だろう
渡辺さんは困ったように下を向くとぽつりぽつりと話し始めた
渡辺「彼女は……Aは、俺の恋人でした。」
彼はドアを閉めずに私のところまでやってくる
瞬時に彼は危険ではないと判断して、話に集中した
渡辺「だけど親の借金の肩代わりに、彼女は知らない男と結婚して………そのまま会っていません。」
遠くを見る彼の瞳には光がなくて
何年間も何年間も、彼女のことを待ち続けたんだうろなって容易に想像できる
渡辺「とても似ていたものでしたから、つい。北斗様のご正室の方に無礼な真似をしてしまい申し訳ございませんでした。」
話の筋が見えたと同時に
ラウールさんがあの時言っていた言葉の意味がようやく分かった
ラウール『 君が向こうの世界で存在しているように、こちらの世界にも君と全く同じ顔をした "こちら側の君" が存在しているんだ。それを忘れないようにね? 』
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つむぎ(プロフ) - 全部一気に読みましたが、(名前を伏せて)本に出来そう!って思うくらい面白かったです! (2021年1月11日 22時) (レス) id: 24a1a39c35 (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - 一気に読ませていただきました!面白かったです。 (2020年6月14日 0時) (レス) id: 87b41f44b5 (このIDを非表示/違反報告)
菜月(プロフ) - とても面白かったです!最後までずっと、楽しませて頂きましたいただきました!ありがとうございました!! (2020年4月8日 8時) (レス) id: 57a5053d23 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます。ずっと楽しんで読んでいたので少し悲しいです。ストーリーの最後の展開が最高でした! (2020年4月7日 18時) (レス) id: 220040772f (このIDを非表示/違反報告)
ナミヲの家のあろさうるす - 完結おめでとうございます!ひたすら裏のお話は少し苦手だったので、飛ばし飛ばし読んでいたのですが、やっぱりお話がとても面白いです!ストーリーが毎回神がかってます!これからも頑張ってくださいね〜 (2020年4月6日 17時) (レス) id: 2e27670cb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:FON | 作成日時:2020年3月18日 14時