はっぴービっチは紅一点_2 (ページ5)

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# おめでたいxxx ページ5

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「こんな大事な日を私にくれるとか、さっくん正気？」

仕事終わりの佐久間から
呼び出しを受けたのは、7月4日の午後9:50

どう考えても終電で返す気がないのは丸分かりだし、まぁ私だって帰る気なんてさらさら無い

それでもあと2時間で、日付を超えたら

彼にとっては "特別な一日" の始まりなわけで

佐久間「うん、佐久間は至って正気だよ！」

屈託のない笑みでそう笑われてしまえば、私がこれ以上何かを言うことは出来ない

明日は佐久間にとって、28回目の誕生日だった

前日から、ファンの子がTwitterでソワソワしているのはエゴサをしているから知っているし
毎年トレンドにも上がるから、多分今年も大変なことになりそうな予感

去年はメンバー全員で祝っていたけど、今年呼び出されたのは私ひとりだけ

正直荷が重い

一応、誘われてからすぐにケーキを買ってきて、予め用意していた誕プレは持ってきたけれど

佐久間「よし！行こうか！」

いつも以上に楽しそうな彼を見ていると、本当に私ひとりで良かったのかと不安になってしまう

そんな心配をよそに
タクシーへ乗り込むと、彼が運転手へと自宅の住所を伝えてゆっくりと車が動き出した

昨日まで雨が酷かった都内も、何故だか今日は晴れ渡っている
きっと、これは彼の日頃の行いの良さなのだろうか

隣の席でノールックのまま私の手を握る彼、その手のひらから感じる熱をしっかりと受け止めた

しばらくして、タクシーは彼の家の前へと止まる

「支払い、ありがとう。」

佐久間「いーえ！」

彼とはだいたいホテルで済ませることが多かった

家は、プライベート空間だから！と言われて中々あげてもらえなくて
何なら、翔太よりもガードが固いかも

私が落ち込んでいる時くらいしか家にあげてくれないさっくんが、私を自分から家に招いてくれることなんて滅多にない

「 ……お邪魔しまーす。」

見慣れた景色

だけど、久々に来たから少しだけ新鮮だった

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