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お父さんの昔話 ページ29

「そんでな、お母さんの実家におしかけたんだ

あの頃は携帯なんてもんないし
一人暮らしでもないし実家しかないから」



「そんでな、お母さんに公開プロポーズしたった」

「お義父さんお義母さんいる前で」

「お父さん凄いだろ!」

ドヤ顔でめっちゃ自慢げに話してくるじゃん!笑



「まあ、そこから喧嘩だな。。
なんで今なんだ!とかもっと場所があるだろ!とかそれまでの鬱憤を晴らすかのように愚痴と文句を浴びたわ」

遠い目のお父さん。
それでも楽しそう。



「お母さんから晴れてお許しを貰えたのはちょっとしてからだったかな
改めてお母さんの家、一緒に行って、結婚許してもらった、って感じか。」



「はー、疲れた。思い出話なんてするもんじゃないな。笑」


『···おかーさん、きっとずっと待ってたんだと思うよ。おとーさんが来るの。』


「そうだなぁ。

···男なんてそんなもんなんだよ。
好きだなんて言えないし側にいてくれなんて言えないし
わかってくれてるって思ってる」


「そーゆー生き物なんだ。許してやれ」って。


『そーゆー生き物なのか。』

『許すも何もあれだけど』


「なんだ、はやく連れてこい」

いやいやいや聞いてた?彼氏ではないんだが。


『····彼氏できたらね』




ただいまーって玄関からお母さんの声。

久しぶりにお母さんとお父さんの顔みたらほっとしちゃって
さっきのお父さんの話もあいまって、なんだか泣けてきて

でも恥ずかしいからアクビで誤魔化した。

守られていた→←教えてお父さん



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作者名:アイハ | 作成日時:2021年2月2日 21時

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