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香り ページ24
昔デート中に買ったティーポット
しばらく使ってなかったのを出してきて、テーブルに置いた
紅茶もコーヒーも飲まないから
使ってたのはもっぱら私だったな
そういえば
このティーポットを買った時、カジュアルな指輪を買ってくれた
店頭にあった指輪だったから号数とかも測ってないし、入るかな程度で買ってくれて、ちょっと緩くてすぐ抜けちゃうからあんまり着けなかった
別れた時にその指輪は返したんだよね
忘れてたな。。
そんなことがあったことも。
１番お気に入りのマグカップで、その紅茶を飲んだ
とたんに泣けてきて紅茶の味わかんない。
亮、ごめん···
なんの話も聞かないで言いたいことだけ言って一方的に傷つけて
嫌われても仕方ない
《ごめんなさい
何も聞かずに最低なこと言ってごめんなさい》
また、こんなメッセージ送ってしまって。
ごめんしか出てこなくて
膝に目を押し付けながら泣いた
一方的なメッセージだけど既読になっただけで安心した
これくらいのほんの小さな喜びだけで満たされてたはずなのに。
いつの間にあんなに求めるようになっちゃったんだろう
返ってこなくていい
本当に謝りたい
この先会えなくてもいい
だけど、この後悔だけは伝わってほしい
こんなこと思うことすら、まだそんな権利ないってわかってるけど·····
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作者名：アイハ | 作成日時：2021年2月2日 21時
