CALL MY NAME２（黄） (ページ22)

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泣いちゃだめだページ22

『会うの久しぶりじゃん、その間何してた、、？』

「普通に仕事してスタジオ入ってたで」

うそ、知ってるよ
他の女の子と一緒にいたこと。
あの子の匂わせ見ちゃったもん

『他に好きな人いるのは章大でしょ？』

『その子のこと大切にしてあげなよ』

「はぁ？！」

『違くても、私の勘違いでもいいよ。
だけど私はもう戻れない
見て見ぬ振りできない。
誰かと章大奪い合って勝ち抜くなんてそんなゲームみたいなことしたくない』

「A……」

『章大を好きなまま終わらせたい』

匂わせも、ただの勘違いかもしれない
打ち上げで章大とベタベタしてたってのも、ただ酔ってただけなのかもしれない
すばるくんが教えてくれた昔の話も、事実じゃないのかもしれない

そんなのどうでもいい！章大さえいてくれればいい！
って、そう思えるほど好きになれてたら違ったのかもしれないけど、なれなかった

「好きやのにAんこと」

好きでいてくれたことは信じてるよ
きっと“特別”じゃなかっただけで。

『ありがとう。
章大がいてくれたから、寂しい時間なかった』

「A、」

『もう行くね、時間作ってくれてありがとう
これ家にあった服、持ってきたから』

「待てって！」

ベンチから立ち上がった私の腕を掴んで、章大も立ち上がって

章大の方向けない

だって涙が止まらない

「そんな泣いて、なんでまた一人になろうとするんよ」
　

『っ、、うぅ……』

「言ったやろ、一人で泣くなって」

引っ張られて抱きしめられたけど、押し返した

この優しさに何度も助けられて温められた
痛い、胸が痛いよ……

「···A、、」

『もうっ、戻れないっ、ぅう、、』

一人でこの寂しさから抜け出さなきゃ
この失恋を一人で越えなきゃ二人を失う意味がない

『ごめ、ありがとう……じゃ…』

後ろ振り向かないようにその場から離れた

だからその後章大がどんなだったかは、もうわからない。