【銀魂】 吉原の遊女と鬼の話。

殺しの命令 ページ30

わっちが殺す？





・・・・この銃で土方を？









話が読めない。









なぜ宮野にこんなことを命令されねばならぬのか。









突然すぎる、という問題ではない。









すべてにおいて頭が処理できなかった。








「やりなさい。」









手に握らされる拳銃。

あまりの混乱に、




なりふり構わず立ち上がる。









「やらなければ、






この店を女ともども焼き払います。」









「・・・・・な・・・・・」









「あの忌々しい男を撃ち殺すのです。




真選組副長、
・・・・土方十四郎を。」









外で誰かが傘を振ったのか

窓から飛び込んでくるいくつかの雨粒。









「・・・頼めますね。
理由はきちんとお話しますから。」









雨は災いを運ぶ。


少なくともわっちの中ではそうだ。









いや、雨がわっちに災いを運ぶのではなく









…・・・わっちが雨に呪われているのだろうか。









手に残った銃に、またいくつかの雨粒が散った。

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