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丸「…A？大丈夫？」
扉の向こうから弱々しい声が聞こえてくる
丸「おにいさん、えっと、裕さんがごめんって言うて帰って行き…帰って行きはりまし…た…」
気まずさのあまりか、ちょっと言葉が不思議
手のひらに握ったままのリングケースからは
ほんのり裕兄がつけている香水のにおい
丸「僕帰った方がええかな…。帰った方が…ええか…いやでも具材が…どうしよ…」
ひたすらブツブツ
歩き回っているのか、足音が聞こえる
たまに体が扉にぶつかる音も
ゆっくり近付いて扉をあけた
ソワソワしている隆平は急に出てきた私にビックリして
「お騒がせしました」
深々と頭を下げる私に
丸「……これで、僕が彼氏役でおる理由なくなってもうたけどまだこのままにしとこか」
そう言って台所に向かう隆平
隆平がいてよかった
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作者名：温田 | 作成日時：2021年3月5日 21時
