ともくんの

or× このままで ページ16

or

「あっくん」

「ん？」

「なあなあ、あっくん」

「なーに」

「ねえ、あっくんってば」

「なに？どした？」

「ぎゅーしてほしい」

そういうと、んっ、と両手を広げて俺を待つ。
可愛くてついつい甘やかしてまう俺やけど
ベッドに腰掛けるもんちにそっと身を寄せた。
ふふ、と笑ってすぐに俺の首筋に顔を埋めるのがこしょばくて
そのままベッドに膝をついた。

「んわ！！！」

それをいいことに一気に俺を抱き寄せたまま
後ろは倒れるからそのまま覆いかぶさった。

「も〜、もんちびっくりするわ」

「おひるね、しよ？」

可愛く強請られたらそりゃもう一緒に寝たい。
横に寝転がって腕を伸ばしてやるとモゾモゾ俺の元へ寄る。
抱きしめてやれば俺の足に割って入ってきては
甘い匂いをさせて夢の世界に引きずり込んでくる。

「もんちここ痛んでる。」

「…んー、あっくん切ってぇ、」

眠くなってきたのか俺の胸にぐりぐりと頭を擦り付けて
甘えた声をだす。ほんま猫みたい。

「なんでやねんな、」

「すきゃからぁ、」

「はいはい」

「なあ、いつなん」

「んー？」

「俺んこと好きになるの、いつ？」

「…」

俺だってとっくに気づいてる。
自分の気持ちに。名前がついてるってことに。

でも、ここで認めてしまえばもんちを離せなくなる。
俺たちがキスをしないのは、
体を重ねないのは俺の怖がりのせい。

「俺ね、のんちゃんが好きっていうてくれたん」

「…そっか」

「どうでも、いい？」

「…」

「ごめん。聞いてみたくなった。
　わかってるから返事せんとって」

「…ん」

背中を撫でようと手を置けばさらに俺に身を寄せるもんち。
この時間が幸せやったはずやのに、
早く寝てしまいたくて。早く寝てほしくて。

「んな、あっくん」

「ん？」

「いままでごめんね」

「…ええよ」

「そんなとこも好き。でももうおしまいにする」

おしまいか。
これを望んでてんからええはずやのに、
行ってほしくなくて、このまま時間が止まって欲しくて。

「あっくんにはお嫁さんが必要や」

「もう寝て？眠いんやろ？」

「…あっくんが寝てよ。
　そしたら出て行くから。」

「行かんとって」

ガバッと顔を上げたもんちに思わず口づけをしてしまった。
顔を真っ赤にして涙を溜めて大好きな人が俺だけを見てる。
俺の首に腕を回してお互いの視線と唇が重なる。

今までごめんな。
でももう離したくない。
このまま俺の腕の中にいて。離れんといて。

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