ともくんの

rd× 嫌われる勇気3 ページ13

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またや。
何度も聞いた俺の悪口。
聞かせてるかのようにどこからも聞こえてくる。

変なメールも送られてくる。
それだけじゃない。
行くとこ行くとこでそんな声が掛かる。

俺はただ監督に無理矢理連れて行かれただけやのに。

でもそんな言い訳通じるはずがない。
ましてや、シゲに信じて貰うつもりなんてない。
だから俺は耐えるしかない。

「でもっ、」

「お願いっ…ほっといて、これ以上傷つきたくないねんっ…」

「神ちゃん、」

優しいのんちゃんは俺を抱きしめてくれる。
傷付きたくないのは本当。
俺はシゲに本気やった。
ほんまに好きやった。
だからこそそうやって言われるのが辛い。

「俺、何言われてもいいねんっ、
　変な噂流されたって、お誘いのメール送られたりしても」

「そんなことまでされてたん？メールまで…
　怖かったやろ？大丈夫？」

「いいねん、そんなんっ…
　でもな、俺シゲのことだけは耐えられへんのっ…、
　シゲのこと、好きやったの、好きやのに、
　遊んでなんかなかった。ほんまに愛してたのに…っ、」

俺が泣きじゃくるせいで
髪をそっと呼吸を整えさせるように撫でた。

「のんちゃんだけは、信じてくれる…？
　俺、シゲのこと…っ、」

「わかってるよ。わかってる。」

「…へへ、ありがと、
　俺、すごい好きやねん。諦められへんかった…っ、
　俺の気持ち否定されてるみたいでっ…
　のんちゃんっ…、シゲに会いたいっ…、」

会ってすぐにでも誤解を解きたい。
俺が好きなのはシゲだけって。怖かったって。
そんなん言うたって，笑われるだけや。
だって、俺は、男たらし、なんやから

「のんちゃん」

「ん？」

「シゲ、なんともない？」

ずっと気になってた。
俺のせいできっとシゲも言われるやろ。
俺なんかと付き合ったせいで。

「…なんで？」

「俺のせいで、嫌な思い、してへ、…、」

顔を上げると1番会いたくて会いたくない人がいる。
それも頬に何本も涙の跡をつけて。
やってしまった。何て言おう。
それでも気持ちを言ってしまいそうでクラクラする。

「した。神ちゃんのせいで」

「…ごめん、なんとかする、」

「話してくれへんから。全部俺に嘘ついたやん！
　ともは俺なんかどうでもいいん？」

ぎゅっと掴んでいたのんちゃんの服を
さらに強く握ってまた唇を噛んだ。
言ったらあかん。
シゲは普通の人生歩まなあかん。






だいき、愛してる






「…、なんのこと？
　俺はシゲに好きなんて言うたことないやろ？」

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