ともくんの3

rd× いちごのケーキ3 ページ47

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言ったもののなんかスッキリせんくてテレビの方に目を向けた。
今は笑われへんバラエティー消したら、真っ暗な画面に反射する神ちゃんの姿。
それすら見たくなくて携帯に目をやると俺のお気に入りの神ちゃん。
こんときはよお笑ってたっけ。
くしゃって笑うこの顔が好きやのに。

「…しげ、ごめんなさい」

「いや、俺もごめん」

振り返ったら神ちゃんはあの大好きな笑顔で泣いてた。
拭いても流れてる涙を必死に拭って。

「せっかく言うてくれたし26にしよ。用意して待っとく。」

「もうせんくてもいいんちゃう？」

こんなに言われへんのなら俺やない誰かと過ごせば？

「そうやな。っぐす、なしにしよっか、」

「ってかリング欲しいん？」

「へっ？な、なんで、」

「雑誌に書いてたやん」

「ぅ、ううん。要らない。大丈夫、」

「なんでなん。欲しいならそう言いや」

「大丈夫やって、」

「プレゼント買って欲しいんなら買ったんで？」

「ちが、…いいし、そんなん、」

なんで？リング欲しいんやないん？
あれやろ、よくつけてるとこのやつの新作とか？
それとももっと凄いやつ？

「なんでなん、今年は絶対買うって書いてたやん」

「…シゲと、買いに行きたかったん、」

付いてこいってこと？そんなんいっつも行ってるやん。
長ーい神ちゃんの買い物俺は座って待ってるだけやけど。
その日は充電器必須ってわけ！

「ペアリング、憧れてて、クリスマスにお互い買って、
　それで、付けてっ…」

「じゃあ、あの付箋…もしかして」

「全部、シゲにあげたい、やつ、…っ、
　でも俺の選ぶの大変って言うてたから辞めた方がいいやろ？
　俺だけ、あげたら気にすると思って、
　今年こそプレゼント交換しよ、って言うつもりやった、
　ごめん、困らせて。お揃いに、憧れてたん、」

「買いに行こ！俺も欲しい！」

「えっ、でも、クリスマス予定あるんやろ？
　いいよ、また別の時でいいし…」

「そんなんないって！欲しいって思ってくれてたんなら尚更！
　我儘言うてや！」

「ええん？…へへ、嬉しい、仕事終わったら買いに行こ？
　お揃いっ、嬉しい…くふふ、」

ふにゃって笑ってポロポロ流す涙なんかほったらかしで
思わず抱きしめた。可愛い恋人、気づかんでごめんな。

「神ちゃん！愛してるー！！可愛い!わがまま最高！」

「しげ、雑誌知ってたん…？」

「ちょっとだけ、でもそんなんなくても好きやで？」

「ふふ、うん、ありがと」





fin

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