ともくんの3

pn× いつまでも6 ページ42

「モンチはほんでなにがほしいん？」

「…」

「あ！秘密か！言わん方が叶うって！？」

ケラケラ笑うみんなの声を聞いたら
ほんまに自分が嫌になってくる。
情けない。何しょうもないこと考えてんのやろう。

「…なんでもない。いい子にしかけえへんから、おれにはこうへんかあ、」

明るく言うてみたもののあんまりやったかな。
あほやなあ、って濱ちゃんの声が聞こえてホッとする。

「何が欲しいん、欲しいもんとかあったんや」

隣に腰掛けたのんちゃんが俺の元へホットティーを置いた。
湯気がゆらゆらしてるから視界がぼやけてるだけ。

「うん。ずっと欲しいの」

「買えばええやん」

「…買えるなら買いたい」

「限定なん？あー、神ちゃん季節限定とか好きやもんな」

「んーん。」

「なに？高いん？」

「…高くても買えるなら買うよ」

「え？何が欲しいん？怖いねんけど」

怖い、か。
確かにそうやんな。お金で買いたいなんて怖いやんな。

「…ごめん。」

「ってかさそんなに欲しいもんなんでいつまでも買わんの？」

「買えへんねんもん。いくら積んだって、」

「…？じゃあさ、今度の誕生日に買うたるやん。
　まあ、来年やけどさ、笑」

俺の気持ちなんかわからんくせに。
そんな簡単にあげるなんて言わんといてよ。

「じゃあ…来年の誕生日は、一緒に過ごしてくれる？
　仕事入っても、連絡くれる？無理やろ？そんなんっ…、
　のんちゃんはいくら払ったら俺と居てくれんの？」

立ち上がった俺に驚いてみんなの視線が集まる。
泣きたくないのにどんどん溢れてくる涙が止まらない。

「神ちゃん、望好きなん？」

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