ともくんの3

rd× my b4 ページ4

「もんち！撮影行っといで！
　俺らで見とくよ〜！」

「ありがとう！起きひんから、
　泣かへんと思うけど、お願いします！」

結構お姉さん、長引いてるみたいで、
神ちゃんの家に来てもう5日が経った。
最初の三日は俺がいたけど、昨日今日は一緒にいてない。

小瀧にだいちゃんのこと相談しても、
そらあかんわ、しか返ってこんかった。
やってるつもりになってたんやろう。
勝手に交代とか提案してたし…。俺も抱っこしたかったし…、
夜泣きも神ちゃんの顔も見たいしさ、
夜と昼じゃ寝かしつけのしかたも変わってるんかも。
毎回夜はしたことなかったし…。

「ふぇっ…くっ、ふっ、ふぇーっ！！」

「神ちゃん、絶対大変やん。」

目覚めただいちゃんは大声で泣き始めて顔を真っ赤にした。
神ちゃんおらんからかなあ、
照史が抱き上げても泣き止む様子はない。
代わる代わる抱っこして、あやしても全く効果なし。
顔も真っ赤になって、涙でぐちゃぐちゃになった。

「ん、貸して」

「お、おう…」

「だい〜、ともくん、お仕事やからなあ、もう少しやからなあ」

「ふっ…ぐっ、ぅっ…ひっく…」

そうやって揺らすとすぐに泣き止んだ。
泣き止んだどころかきゃっきゃと笑った。

「…すげえ、」

「たまたまやで、神ちゃんの時は泣けへんし。
　だいちゃん寝てまいな、いい子やなあ」

うとうとしてきた目を見つめて
背中をとんとんと優しく叩いてやる。
神ちゃんがよくやってたし。

「ん、寝た」

「お前、すげえな、照史でも無理やったやん、」

「ほんまや、シゲやるなあ！」

「たまたまやって。今おいたら泣きそうやな
　もう少し抱っこしとくか、」

シゲもパパやなあ、なんてみんなにいじられながら
立ったまま揺らしているとすぴー、と寝息が聞こえた。

「…可愛いなあ、」

「ちょ、流星、ぷにぷにしすぎ！」

「だってこんな経験なかなかないで？望も触り？」

「え？じゃあ…」

なんてニマニマして指で頬をつつく。
ふにゃっと顔を歪めたら慌てて引っ込めて、の繰り返し。
ひとしきり終えてみんなで団欒していると

「ごめーん！ってシゲ！起こしたん！？ちょっと！！」

「えっ」

振り返った神ちゃんは肩で息をしながら真っ青な顔をしている。
俺に近づいて奪うように抱き抱えると、凄い剣幕で睨みつけた。

「起きたらどうすんの？辞めてってば、！」

「神ちゃん、ちゃうねん、」

「ええよ、淳太。神ちゃんごめんな？
　流星、撮影いこや」

「ふぇっ…えっ…ぅっ…」

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