rd× 夢のまた夢4 ページ11
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「ご、ごめん!!神ちゃん!」
「え、ええよっ、そんなん…っ、たかが記念日くらい…」
「いやいや!大事やのに!ごめんっ!」
「んーん。もう大丈夫。
最後のデートのつもりやっただけやから。
俺の独りよがり。気にせんとって」
「最後のデート?」
聞き返した濱ちゃんの声で気づいた。
最後のデートってなに?
「あっ…、今日、最後にしようと思ってて…」
「…もしかして、前俺が言うた奴覚えてくれてたん?」
「酔ってたから、忘れてたよなっ、だから怒ってないよ」
神ちゃんは相変わらずへへ、っと笑った。
俺の目の前に座っていて、小瀧に頭を撫でられている。
「二人で記念日にピクニック行きたいなあ。
なあ、休み取ろな!朝から出かけよう!
あの公園にしよ、うわあ、楽しみやあー!」
そう話していた時は俺が隣におったはずやったのに。
「シゲ、忘れんとってね。俺、お弁当作るから。」
指切りまでした約束。
「当たり前やろ!忘れたらその日に別れたるわ!!」
「ふはは、絶対よ?俺、信じるで?
忘れたら別れたいってことやなあ〜!?」
あほや。俺。
大見栄切っといて、あほやんけ。
神ちゃんは忘れてなかったんや。
だから早く起きて、弁当まで作って。
わざわざ、俺の分残しててくれたのに。
寝てる時は絶対に音立てへん神ちゃんが
玄関の音を大きく閉めたのはそれや。
俺が、全部あかんかったんや。
「か、神ちゃんっ、」
「んー?」
「あのっ、」
「別れへん、とか、なしやで?」
「は?」
神ちゃんの声やない。
声のする方をゆっくり振り返ると神ちゃんを挟んで
ウイスキーをぐいっと煽った流星やった。
「神ちゃん、待ってたわ。ずっと。
シゲがくるんよ、って。俺らが心配していったら
ずっと一人で待ってたで。
ぐちゃぐちゃになったケーキ見て、俺らみたいって。
お前からかかってきた電話の後、静かに泣いてたわ。
もしかしたら二人かもって、思い出してくれたかもって。」
「…」
「神ちゃん、シゲが好きなもんばっか作ってた。
シゲごめんねって言いながらずっと待ってたのに。」
「ごめん、神ちゃん。俺…」
首を振った神ちゃんはどこか寂しそうやった。
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non(プロフ) - いつも素敵な作品をありがとうございます!!suta.様のかみしげが大好きです😭これからも更新楽しみにしてます😭 (2023年1月4日 1時) (レス) @page43 id: 75b3cd701b (このIDを非表示/違反報告)
suta.(プロフ) - kikaさん» 嬉しいです〜!😭💗💗💗幸せに向かうと手が止まってしまうんですが…笑ともくん幸せになりますように!!笑 (2022年12月9日 7時) (レス) id: d955a4a289 (このIDを非表示/違反報告)
kika(プロフ) - ともくん……幸せになってくださいーーー😭続き楽しみにしています‼︎ (2022年12月8日 6時) (レス) @page25 id: 8a2ca7f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
suta.(プロフ) - 名無しさん» ご丁寧にありがとうございます😰😰 (2022年11月9日 18時) (レス) id: d955a4a289 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - コメント失礼致します。オ/リ/フ/ラがついたままになっておりますよ…。 (2022年11月9日 15時) (レス) id: 3c150abdca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suta. | 作成日時:2022年11月9日 6時