ともくんの2 (ページ40)

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rd× すれ違い3 ページ40

…やっぱりあの噂はほんまやったんや。

________________スタッフさんと付き合ってるらしい。

ロケ前も休憩中も同じスタッフさんと話しているみたい。
あの可愛いスタッフもシゲのこと好きなんかな。

仕事が忙しくて会ってくれなくなった。
それでも会いたいし、仕事で疲れてるなら癒したくて、
家に泊まったり、ベッドで寝て待ってた。

でも、日に日に連絡が減って、帰って来なくなった。
唯一一緒に食べれてた朝食も、
時計をチラチラと何回も見てかきこむ姿を見て
邪魔やったんかも、そう思って作るのをやめた。

広いベッドで寝たいかも。

じゃあ俺は泊まらないほうがいい。

電話を掛けたら寝てるのに邪魔になるかも。

掛けたらあかん。声聞きたいのは我慢しよう。

一緒に帰ったら、好きなことできひんかな。

ロケバス分けてもらわないと。

メールも通知で急かしてしまうかな。

カードなら読んでくれるかな。

俺のものがあったら来たことがわかっちゃうかも。
そうしたら、シゲも悪いって思っちゃうかな。

荷物減らそう。んーん。なくしておいたらいいかな。

俺のこと、誘ってくれるまで待とう。

俺は、邪魔しないようにしよう、

彼女ができても我慢しよう。

俺じゃ都合が合わないんや。

「シゲ、最近そのセット多いんやなあ」

「あー、うん。俺、これ好きやねん」

やっぱり。俺がご飯作るのやめてよかった。
シゲずっとそれやもん。スタッフさんがくれたんやろ？
…俺、それが好きなんて知らんかった。
言えば買ってきたのに…。

「ちょっと近すぎ。」

スタッフさん、見てたよ？
ヤキモチ妬かせたらあかんやん。
俺みたいに、嫉妬で毎日泣かせたらあかんねんから。
俺が家でどんなけ泣いたって、悔しがったって、
シゲはもう二度と帰ってこうへんねんから。

「へっ…あぁ、ごめん」

「いくらファンのためでもダメよ？
　仕事に支障きたすのはあかんって約束忘れた？」

言ってもこれは俺らが付き合う時に決めたルール。
こんなに引っ付いてたら彼女さんが妬いちゃう。
でもうこう言えばわかってくれるやろ？
…ほんとは嬉しかった。
恋人に戻れたみたいで、幸せな時間やった。
シゲと一緒にご飯食べたんいつぶりやろう。
やっぱり好きな人と食べるご飯は美味しい。
たくさん唐揚げも食べてくれたなあ。
俺の料理美味しいって、いっつも褒めてくれるねん。

切り替えなあかんのは俺の方。
もう、やめなあかんのに。